【4歳児のお悩み】意見がコロコロ変わる娘が、許せません!
「おかわり」と言ったのに、結局食べない娘……。もっと強く怒るべき?お母さんたちの悩みに、東ちひろ先生がお答えします。
※本稿は『1歳~6歳 9割は「叱ること」ではありません』(PHP研究所)より一部抜粋・編集したものです。
東ちひろ(ひがし・ちひろ/一般社団法人子育て心理学協会 代表理事)
幼稚園・小学校教員、中学校相談員、教育委員会勤務を経て、「東ちひろマザーズセラピー」を主宰。その後「子育て心理学協会」を立ち上げ、代表理事を務める。社会人(女)・社会人(男)の二児の母。教育に携わって30年、今まで相談を受けた子ども・保護者・学校の先生の数は、2万件以上、改善率93%、学校復帰率75%。著書多数。
東ちひろホームベージ 東ちひろプログ
うそをつく子どもとの向き合い方
Q.娘のことでご相談です。食事中に子どもが「おかわり」と言うのでおかわりをよそったのに、数秒先には「もういらない」と言い出し、困っています。平気な顔をしてうそをつくことが許せません。
どれだけ私が怒っても、またしつこく同じことを言うのです。もっと、強く怒った方がいいのでしょうか? それとも、他にいい方法はありますか?
A.
これはやめて! 「本当にあなたはうそつきね!」
こうすればいいよ! 「えっ!?もう食べたの?」
子どもは、自分があとどれくらい食べられるのかがよくわからずに、おかわりをしたがることがあります。ママにしてみれば一生懸命に作った料理を残されると腹が立つことでしょう。
そんなときには、たとえ子どもがおかわりをねだったとしても、あえて少なめに盛りましょう。そして、それが全部食べられたときには、次も少なめにおかわりをあげるのです。
忙しいママにとっては面倒くさいことですが、「もういらない」と言われてイライラするのであれば、おかわりをよそう時間に使いましょう。
うそではなく、見通しがついていないだけ
この場合、子どもはうそをついているのではなく、先の見通しがついていないだけなのです。これもこの先成長する過程で自然にわかるようになるので、心配はいりませんよ。
でも、ついついこんな言い方を、してしまいますよね…。
NGな言い方の例
「あなたはうそつきね、今、食べるって言ったでしょう!」(先の見通しがついていないだけで、うそをついているわけではない)
「本当にあなたはもったいないことをする子ね」(正論を振りかざしても子どもはたくさん食べるようにはならない)
これでは残念ながら、ママの気持ちや意図が正しく伝わらないし、より一層イライラが募るばかりです。 また、正論を振りかざして「もったいない」と言っても、その概念がまだよくわからない時期です。
特にユーメッセージ「あなたは〜」にマイナス言葉を続けるのは、あまり歓迎しません。子どもは”扱ったように育つ”と言いますので、子どもにうそつきとレッテルを貼ることは避けた方がいいですね。
では、どんな言葉がけをすればよいのでしょうか?ちょっと見てみましょう。
OKな言い方の例
「えっ、もう全部食べたの!? よく頑張ったね。おかわりあるよ」(少量でも残さずに全部食べたことをおおげさに驚く)
「おー、またおかわりなのね。かっこいいね」(男の子にはかっこいい、女の子には素敵だねと言う)
これらの共通点は「実況中継+ほめる」で表現をしていることです。ママが今、「できていて当たり前」ということでも、ほめる練習をしましょう。イライラしているときに相手をほめるのは、大人相手でも難しいものです。
しかも、目の前にいるのはちょっと生意気になってきたわが子ですから。
まずは、”言葉から”入ってもかまいません。先に言葉と表情を作ってしまえば、ママの気持ちが、言った言葉についてきます。そのあと、子どもの心が落ち着いてくれば、さらにママは言いやすくなります。大変なのは最初だけなのです。
1歳~6歳 9割は「叱ること」ではありません(PHP研究所)
「3つの魔法の言葉をつぶやく」「たくさん体に触れる」「名前で呼びかける」など、”子どもを叱らずにすむ工夫”が満載。あなたの「ムダ叱り」は必ずなくなります。