親が笑うとなぜ「頭がよく性格がいい子」に育つのか?

陰山英男

*続ける力 最後までやりとげられるようになる

心配しすぎるお母さんは、「そんなやり方はダメ」などと口や手を出してしまいがち。子どもが自分の力で続け、やりとげる達成感を奪ってしまいます。こうしたお母さんのもとで育った子どもは、発想力に乏しく、少しひねった問題を出すと解けないことが多いのです。

反対にお母さんが笑顔で大らかに見守っていると、子どもは安心して物事に向き合えます。途中でうまくいかなくても不安にならず、試行錯誤し、自分のやり方で続けることができるのです。

*楽しむ力 自分の好きなことに没頭できる

ある一流アスリートのお母さんは、試合後、結果は聞かず、満足のいくプレーができたか、楽しめたかどうかを、まず明るく尋ねるそうです。お母さんがそのようにゆったりとした気持ちでかまえていれば、子どもは「うまくやらなくちゃ」「失敗したら怒られる」というようなプレッシャーを感じないで済みます。

勉強やスポーツなど、何事に対しても楽しみながら取り組むことができるのです。また、人の失敗に対しても寛容な気持ちをもてるようになり、相手を思いやる気持ちも育ちます。

笑顔で子育てするために 子どもを3つの視点で見守ろう!

次の3つの点を普段から心がけて実践するとお母さんの心がラクになり、親子でたくさん笑い合えるようになります。

*今の幸せ、自分の幸せに目を向ける

将来のためと、「今、つらくても頑張りなさい」と鬼気迫る表情で、子どもに勉強や習い事をさせるお母さんがいます。でも、子どもに将来幸せな人生を送ってほしいなら、今、幼児期に、子どもが楽しい、幸せだと感じられる時間を重ねることが大事です。

幸せが何かをわかっていなければ、大人になっても幸せを手に入れることはできないからです。また、お母さん自身が幸せでないと、子どもも幸せを感じられません。あなた自身が幸せだと思える生き方をしていきましょう。

*世間体に振り回されない

世間の目を気にしすぎると、圧迫感、ストレスを感じます。みんなと違うことを恐れ、人と同じでないと不安になってしまうのです。また、他の子と比較して、勝った負けたばかりを気にしていると、際限なく競争する対象を捜すようになります。

正解のない子育てだからこそ、「うちはうち」というブレない「子育て軸」をもちましょう。そして、他の子と比べずに、「昨日より1回多くできた」など、子ども自身の小さな成長に目を向けましょう。そうすると、子どもが何かを頑張ったときに、結果ではなく、子どもが納得できたか、満足できたかで、ほめられるようになります。

*親バカでいい

子どもが頑張ったとき、誰かに優しくしたときなどには、お母さんは周りをはばかることなく「〇〇ちゃん、最高~!!」「お母さんとっても嬉しい!!」そんなふうに、思いきり笑顔で喜んであげましょう。子どもができたことを単純に喜ぶ、それだけで子どもは安心し、愛されていると実感します。親子なら言わなくても愛情は伝わる、というのは思い込みです。表情、言葉でどんどん伝えましょう。親バカでいいのです。

どんなときも親は自分を受けとめてくれる、愛してくれる、味方でいてくれる、子どもがそう実感できることこそが何よりも大事なのです。

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