メリットがたくさん!リビング学習のすすめ

陰山英男

低学年ではリビング学習をする家庭が多いようですが、いつまでリビング学習をすればいいかと、よく質問されます。その質問に対しては、「子どもによって違う」と答えています。高学年になって静かな環境で問題を集中して解きたい子は子ども部屋に移るでしょうし、多少の雑音があっても平気な子、むしろ雑音があったほうが効率がいいという子もいるので、個々に任せるのがいいでしょう。

メリットがたくさんあるリビング学習ですが、問題点もあります。

よく聞くのは、「きょうだいが邪魔をしてしまって集中できない」ということです。小学生のお兄ちゃんがいて、学齢前の弟や妹がそばで遊んでいる場合、ついつい一緒になって遊んでしまいがちです。その時は、下のきょうだいに、

「今、お兄ちゃんは勉強中だから6時になるまで静かにしていてね」

と言い含めてお兄ちゃんの勉強を優先させます。下のきょうだいにも勉強の大切さがわかるので、自分が勉強する年齢になった時に、進んで机に向かうことができます。

もう一つはお父さんの問題です。子どもが勉強しているそばでテレビを観みたり、ゲームをしたりして、子どもが勉強に集中できない場合です。

疲れて帰宅してビールを飲みながらテレビを観る楽しさはわかりますが、ここはせっかく子どもが勉強しているのですから、録画するなどして子どもの勉強を優先させたいものです。でもそうなるのは、家に父親のスペースがないのが原因です。

リビングにテーブルと学習机があり、壁には作品や年表が貼ってあったりしたら、帰宅した父親はなごめません。

基本的にリビングはお母さんのテリトリーですから、できるならどこかに父親のスペースを作るといいのです。もし、それができなければどうするか。

しかたありません。子どもが起きているあいだは子どもを優先するしかなく、子どもが寝てからを大人の時間とするしかありません。

私もそうでしたが、子育ての最後はガマンです。

『子どもの頭が45分でよくなるお父さんの行動』

子どもの学力・地頭力は父親しだいで伸びる! 百マス計算でおなじみの著者が、2女1男を育てた経験から伝授する父親がするべきこと。