「わがまま」に効く魔法の言葉

波多野ミキ
2023.10.13 16:29 2023.02.20 23:06

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「どうしていつも自分勝手なの?」。その気持ち、ごもっとも。でも、まずは”子どもの事情”を見つめてみませんか?

※本稿は『PHPのびのび子育て』2017年1月号に掲載されたものを一部抜粋・編集したものです。

波多野ミキ(はたの・みき/波多野ファミリスクール副理事長・カウンセラー)
1934年生まれ。早稲田大学文学部仏文専修、東洋大学文学部教育学科卒業。東京家庭裁判所家事調停委員を20年間務める。現在、財団法人波多野ファミリースクール理事長 同カウンセラー。「母親は子どもにとって最初の先生」であるという立場からの、子育て しつけを提唱。波多野ファミリースクールで、お母さんの子育ての相談も行っている。

知っていましたか?子どもがわがままを止められない理由

わが子はかわいいですし、かけがえのない存在です。でも、勝手なことばかりしたり、部屋を散らかしたり…そんな子どもと毎日つきあっていたら、いくらやさしい親でも、イライラしてしまいますし、大きな声で叱りたくもなってきます。

イライラ・クヨクヨ盛りだくさんでいいのです

いい親でいよう、なるべく叱らないようにしようと思っていても、いざ、言うことをきかない子どもを前にすると、思わずどなってしまい、自己嫌悪におちいってしまった経験がある方も多いのでは?

親だって人間ですもの、それは仕方のないことです。思わず大声を出して、またやっちゃったと反省したり、そんなことをくり返しながら、親も少しずつ成長していくものなのです。

≪幼児期の4大わがまま≫

泣く女の子
幼い頃の代表的な困った行動。果たして、どんな気持ちが込められているのでしょうか?

(1)スーパーやデパートに行くと、必ず、お菓子やおもちゃをほしがり、大声で泣いたり、床に寝ころがったりする。
・ユウキ君の心の声「買って買って! ほしいほしい」

(2)出かける時間なのに、着換えをぐずぐずしている。何度「早くしなさい!」と言っても、ノロノロしている。
・アイちゃんの心の声「がんばってるんだけどな…」

(3)電車の中で、じっとしていられず、大声を出したり、通路を走りまわったりする。
・レイ君の心の声「わあ!! 電車だ! 速いぞ!」

(4)おけいこごとをしたいと、自分から言い出したのに、1回行っただけ。2回目から行きたくないと、グズる。
・ミカちゃんの心の声「マナミちゃんと同じクラスじゃないからつまんないな」

じつは心配? わがままを言わない子

「イヤ」と言ったり、お気に入りのものを抱えこんでだれにも貸さないというのは、健全に育っている証拠です。イヤと言えない、自己主張ができないと、将来、いい人間関係が築けない心配があります。

「○○しなさい」「○○でしょ」の代わりに「どうしたい?」「何がしたいの?」とやさしく問いかける機会を増やしてみてはいかがでしょうか?

波多野ミキ

波多野ミキ

一般財団法人波多野ファミリスクール理事長。早稲田大学文学部仏文専修、東洋大学文学部教育学科卒業。「母親は子どもにとって最初の先生」という立場から子育て、しつけを提唱。著書に、『子どもが一週間で変わる親の「この一言」』(三笠書房)など多数。