「いい子症候群」は危険 過度に叱ったり、期待して起こる反動
(2)子どもは「親に愛されたい」生きもの
親だけでなく、子どもの側にも”いい子症候群”を招く要因があります。
とくに小さいうちは、親に愛され、世話をしてもらわなければ生きていけません。
なので、親に愛されたい、ほめてもらいたいという素直な気持ちから、自分の気持ちを抑えて親の期待に応えようとする傾向があります。
これは、あながち悪いことではなく、親に認めてもらいたいから一生懸命勉強する、お稽古ごとに励む。つまり、頑張るモチベーションとなり、その結果、その子の能力が伸びていきます。
ただ、親に愛されたい、ほめられたいという気持ちも度が過ぎると、自分を見失ってしまいます。親は、子どもがそうならない関わり方をしていく必要があるのです。
「いい子症候群」にしないために
子どもが「親に愛されたい」と思うのはごく自然のことですから、わが子を”いい子症候群”にするか、しないかは、やはり親の考え方や言動にかかってきます。
わが子を”いい子症候群”にしたくない、あるいは「もう、そうかもしれない」と不安に思うなら、子どもとの関わり方を変えましょう。
子どもの意思を尊重する
まずは、子どもの意思や自主性を尊重すること。どんなに幼い子どもでも、必ず自分の意思をもっています。それを尊重しましょう。
たとえば、朝、着る服を選ぶ際に、親が決めたものを無理やり着せたり、子どもが選んだものに対して一方的にダメ出ししたりするのはやめましょう。子どもの意見を聞き、認めた上で、相談して決めるようにしてみてください。
次に、親の価値観や期待を押しつけないこと。わが子をきちんとしつけなければと思うあまり、厳しいルールや大人の理想を押しつけると、子どもはその「型」にはまって抜け出せません。人に迷惑をかけないかぎり、自由に、のびのびと過ごさせ、「自分の意思で行動してもいいんだ」という安心感を与えましょう。
そして、子どもの欲求を先取りしないことです。わが子が可愛くて、心配なあまり、つい「○○ちゃん、〜がほしいよね」「〜したいでしょ」などと先回りしがちですが、子ども自身が「〜したい」と意思表示するまで待ち、「〜する」と自分で決断させてあげてください。それが子どもの自信につながり、自己肯定感が育まれます。
要は、「子どもには子どもの人生がある」ということです。「”いい子”を押しつけてしまったかな」と思ったら、大きい声で次のように唱えてみてください。
「私と子どもは別人格。子どもは私の期待に応えるために生まれてきたわけではない」
気持ちが落ち着き、冷静にわが子と向き合えるようになりますよ。
【親と子どもは別人格】
(1)親の価値観や期待を押しつけない
(2)子どもの欲求を先取りしない
(3)「子どもには子どもの人生がある」という認識をもつ