開成高校・元校長「ゲーム好きな子どもは将来有望」「ゲームはうんとやれ」

柳沢幸雄

プログラミングは当たり前、”読み書きプログラミング”の時代へ

先ほどプログラミングが教育現場においても必修化されるといいました。つまり子ども時代から、プログラミングはできて当たり前のものになっていくのです。

また、これからは生活をしていくうえでもプログラミングの知識は必要となります。

コンピュータを製造する企業やソフトウェアの会社に勤務するから必要というわけにはいかなくなってきたのです。

どのような職業に就くにしても、プログラミングの知識を理解して、コンピュータ等を活用することは極めて重要といえます。

では実際にどのよう教育が行われているのでしょうか。

小学校では自動車メーカーや住宅メーカー、インターネット関連企業といった様々な分野に携わる人々とのかかわりを通して、まずはプログラミングを身近に感じること、あらゆるところにプログラミングが使われていることを意識するところから始めます。

また、小学校段階でも学年が上がると実際に自らがプログラミングを体験していきます。

例えば、正多角形をプログラミングで正確に書くことや料理、建築の「工程」を書き、作業の効率化を確実にするといった指導例があります。

ここでは実際にプログラミングを用いることで、日々の暮らしがより便利で楽しくなるということを実感する狙いがあります。

 

ゲーム好きの子が「ゲームから学んでいること」

「勉強しなきゃダメよ!」「勉強しなさい!」

やるべき勉強になかなか手が付けられず、忙しい日々を送るわが子に向かって親はつい言いたくなってしまいます。

しかしこれは思春期の子どもの反感を買ってしまうだけで、まったくいい結果になりません。

私は部活や行事をはじめ、自分の好きなことを子どもたちは大いにやった方がいいと思います。これは以前校長を務めていた開成高校でも、今の北鎌倉女子学園でも変わらず子どもたちに伝えています。

ただ、勉強をしなくてもいい、というわけではありません。子どもたちにはメリハリをつけて時間を上手に使う方法を学んでほしいのです。

ハーバードの学生は、週に60時間くらいの勉強時間を強いられます。

しかし、60時間机の前に座っているわけではありません。

ジョギングや登校中にレポートの構想を練ったり、その日の発表のしかたを考えたりするのです。

私もかつてはバスタブにつかりながら、電車に乗りながらなど時間を二重三重に使って、忙しい日々の中で勉強時間を確保しました。

これらの時間の使い方はゲームをしながらでも同じことです。

ゲームは遊びながらストーリーに合わせて新しい知識を得るツールとして使えます。

子どもたちは日常の中で、オンラインゲームやYouTubeといったものには慣れていますから、意外にイケる、と感じるのではないでしょうか。

また、私はゲーム力を高めることも時間の使い方の一つだと思います。

「ここまでクリア」「そのためにはどんな戦略を立てるか」

攻略法を調べたり、自分の成功と失敗を分析しながら思い切り何かに没頭する体験をすることはよいことです。

子どもにとって没頭することがゲームだっていいわけです。

これまでより仕事時間が減って、家にいる時間が長ければ、1時間でも時間を作って親子で一緒に真剣にゲームを楽しんでみるのもよいでしょう。