匿名での誹謗中傷も必ずバレる…親が子に教えておくべき「ネットの現実」
誹謗中傷は深追いしないのが得策
一方、インターネットやSNS上での誹謗中傷については、自分自身で解決する場合、本人が何を言っても言い訳にしか聞こえなかったりケンカになったりする可能性も高いでしょう。
ですから、極論のように聞こえるかもしれませんが、それ以上被害を拡大させないためにも、もう諦めてそれ以上深追いしないことが功を奏したりもします。
人間は、傷ついたりすると、その穴を埋めようとします。その際に、さらに深く調べたりするのですが、そうするとさらに嫌なものを見つけてしまったり、ドツボにはまってさらに傷を深くしてしまうことも珍しくありません。
もちろん、深追いしたくなる気持ちもわかります。しかし、大切なのはつらい真実を明らかにすることより自分自身の心を守ることです。もし、人間関係に深刻な問題をもたらさないような陰口だったならば、あえて見て見ぬ振りをするのも一つの手段かもしれません。
また、どんな事実も解釈次第です。悪口を書かれることはとてもつらいことですが、それをどう受け止めれば自分自身の心にダメージが少なくなるかを、子どもと話し合ってみるべきでしょう。
「匿名なら身分がバレない」はウソ
では逆に、自分の子どもがネットに誰かの悪口を書き込んだらどうなるでしょうか。匿名なら、バレないと本人は思っているかもしれません。
そして、人は匿名性が高くなるにつれて、雄弁に、言いたい放題になるということが知られています。インターネット上の某巨大掲示板などは、匿名性が高いので、非常に自由奔放な投稿がひしめき合っています。
しかし、私たちが考えている以上に、インターネット上の匿名性というのは保たれていません。IPアドレスなどの情報はなくても、書き手の特定は可能です。しかも、実は、電子テキストを分析するほうが、筆跡鑑定よりはるかに正確に書き手を特定できるのです。
筆者特定の分析技術は、たとえば英語圏では、ウィリアム・シェイクスピアが本当に書いたかどうか疑わしい作品を調べたりするのに用いられていました。
それを事件の捜査や裁判の証拠の分析に応用し、文章の書き方から書き手が同一の人か、違う人か、あるいはどんな人かなどを調べることも行われています。これは、法文体分析と呼ばれています。