児童養護施設で食べた焼き芋の温かさ

押谷真里奈
2024.03.05 20:22 2023.03.01 19:28

大阪水上隣保館

大阪水上隣保館は大阪府三島郡島本町にある、児童養護施設や特別なケアを必要とする乳幼児を養育する乳児院など複数の施設を運営する総合福祉施設です。

戦前、堺教会の牧師だった中村遙先生と妻・八重子ご夫妻が、当時の大阪港に働く水上生活者の生活実態と船で暮らす子供たちの悲惨な状況に心を痛め、1931年3月、大阪市港区にその子供たちを預かる「水上子供の家」を開設されたのが始まりです。

空襲による施設の全焼などの苦難も乗り越え、現在は大阪府三島郡島本町で社会福祉法人大阪水上隣保館10施設と学校法人山崎学園を運営する総合福祉事業を実施されています。

2023年2月25日、大阪水上隣保館にて、全国PHP友の会(『PHP』誌の愛読者が集うボランティアの任意団体)、PHP研究所有志が主体となってボランティアイベント(焼き芋大会)が開催されました。そのレポートをここに紹介します。

児童養護施設の子どもたちと焼き芋大会を楽しみました!

PHP友の会ボランティア活動(大阪水上隣保館)

 

「全国PHP友の会」では、20年以上前から年に1回、PHP研究所と共に、大阪水上隣保館の施設の子どもたちのために焼き芋大会を開催しています。

 

今年(2023年)はコロナ禍を経て3年ぶり。前日は雨が降りましたが、開催日である2月25日(土)は、みんなの想いが通じたのか、とても良いお天気で絶好の焼き芋大会日和でした。PHP研究所社員、PHP友の会会員等、ボランティアスタッフが総勢40名ほど集まりました。

 

まずは、お芋をアルミホイルに包むところからスタート。同時に他の参加メンバーは木々を集め、焚火の準備をします。施設の子どもたちも50人ほど集まり、一緒に手伝ってくれました。

 

PHP友の会ボランティア活動(大阪水上隣保館)

 

大人は童心に返り、焚火を見たことのない子どもたちは大はしゃぎ。「お芋はいついれるの?」と、待ちきれない様子の子どもたちでしたが、実は美味しい焼き芋をつくるには、勢いよく燃える炎の中に入れるのではなく、熾火(炭みたいな状態)になるまで待たなければなりません。

 

炎が収まってきたら、お芋を投入できるサインです。200本ぐらいのお芋を次々と入れ、火が通るのを待ちます。その間、子どもたちとかけっこをしたり、滑り台をしたり、鉄棒をしたり、それぞれが楽しく過ごしました。

 

できあがった焼き芋は、それはもう絶品。子どもたちは、「あちち!」と言いながら美味しそうに頬張り、笑顔があふれていました。「もう1本食べる」と、ほとんどの子がおかわりをしていて、その様子がとても可愛いく、幸せな気持ちになりました。

 

大阪水上隣保館の延原理事からは、「施設の子どもたちは、親からの愛情は受けていない子がほとんどだけれど、この焼き芋大会を通して皆さんからたくさんの愛情を受け、子どもたちにとっては一生の記憶に残る楽しいイベントの一つとなっています。また、20年以上も続いているということは、我々職員や子どもたちにとって本当に嬉しいことです」と感謝の言葉が述べられました。

 

私たちもこの焼き芋大会を通して、隣保館の職員の方、子どもたちから多くの気づきと幸せをいただいています。また、この日、PHP思いやり運動(PHPの社会貢献活動)からも隣保館へご寄付をさせていただきました。

 

焼き芋大会に参加いただいた方、PHP思いやり運動にご支援いただいた皆様、誠にありがとうございました。(PHP研究所 社会貢献部 押谷真里奈)

nobico(のびこ)編集部

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