自分の子が「悪い噂」を流された場合の対処法

堀田秀吾

噂を自分の魅力に変える方法

流れた噂を消すことは難しいですが、実はそれを使って自分の魅力や評判を高める方法もあります。ゲイン・ロス効果というのは、いわゆる「ツンデレの法則」あるいは「ギャップも萌え」の原理です。

ミネソタ大学のアーロンソンとリンダーという人の研究で明らかになったものですが、少しわかりやすくするために、ここでは好意的に捉えられる行動を「デレ」、非好意的に捉えられる行動を「ツン」として表現します。

(1)ずっとツンツン
(2)ずっとデレデレ
(3)最初デレデレ最後ツンツン
(4)最初ツンツン最後デレデレ

このようなパターンで被験者に行動をとってもらうと、(4)が最も印象が良く、次に(2)が良く、(1)から印象が悪くなり、最後に(3)が極端に悪い印象となります。

少女漫画で、不良っぽかったりつっけんどんな男子がときおり見せる優しさに主人公の女子がときめいてしまう、ラブコメディの王道、いわゆる「ツンデレ」がありますが、まさに、これが最強なのです。一番印象の悪かった(1)と、一番印象の良かった(4)の差は、なんと780倍とも言われています。

ということは、悪い噂を流されても、その噂に反するような良い印象の言動が目に入れば、通常よりも良い印象を人々が持つ可能性があるということです。

ですから、悪い噂を流されても腐ることなく、自分を磨き、他者に優しい行動をとり続けていくことで、周りの評価を一気に上げることができるかもしれないのです。

これはぜひ、噂を流されて落ち込んでいる子どもに教えてあげてください。自信や名誉を回復するチャンスはあります。

『いじめのことばから子どもの心を守るレッスン』(河出書房新社)
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