ヘッドバンキング…子どもが自分の頭を壁にぶつける(子育て相談室)

斉藤孝子
2023.11.01 14:52 2023.03.07 10:46

泣いている子ども

自分の頭を壁にぶつける行動をとってしまうわが子。こんな時、どのように接すれば良いのでしょうか?日本ベビーコーチング協会理事の斉藤孝子さんが、子育ての悩みに答えます。

※この記事はWEBサイト「PHP INTERFACE」に掲載されたものです。

保育園の転園を自分から壁に頭をぶつける子

子供が1.5才の時に職場復帰をしました。復帰して、半年間の間は、実家の母が子供の面倒をみてくれました。その後、保育園に入園させました。

最初は、公立に入ることができなかったため、一ヶ月間私立保育園に通わせました。とても質のいい私立保育園です。子供は初日から泣かずに通っていました。その後、2~3回だけ保育園に預けるときに泣くときがありました。

しかし料金、時間、場所の関係で、次の月に公立が決まったので、希望しなかった公立保育園だったが、転園をすることにしました。あくまでも希望しなかったところだったので、入ってからも気になったことがいくつかありました。

子供は一ヶ月経っても、毎朝預けるときに泣き暴れる毎日でした。そこで、新に違う認可保育園を希望して申し込んで、意外に次の月から入れると区役所から連絡がきました。3ヶ月で3回転園したわけです。現在入っている保育園に入る当初、大きい子供に狙われてうちの子供が遊んでいる玩具が必ずというほど奪われていたという事件がありました。半月たった今、預ける際まだ毎朝泣いています。

子供をずっと見てきた私の友人は母が見ていたごろに比べて、最近暗くなったといいます。また、最近2回ほど、自分で自分の頭を力いっぱい壁にぶつけていたのをみました。一回目は眠くなっていたときでした。私がいつもねかしつけをしていて、そのときも子供の側にいました。子供は何かを伝えようとしていたが、それを理解してあげられませんでした。

二日後の二回目は、子供が寝ていて目が覚めたときでした。子供は夕方寝てから、朝起きるまでまだ数回目が覚めます。目が覚めるとき泣くか、ママと呼ぶか、自分で寝室のドアをあけて、私を探すかのいつものいずれかでした。

しかし今回は、小さい声を出して頭を壁にぶつけていました。隣の部屋から、ごくん・・ごくんと何度も音が聞こえました。もしかしたら、子供がドアを開けたいのに、あけられないのかと思って見に行ったら、布団の上で頭を壁にぶつけていました。

私は、かまいすぎるぐらい子供のいうことを一生懸命にきいてあげる、また、土日はできるだけ子供と遊ぶようにしています。どこで何か間違ったのかしら。短時間で転々と保育園を変えたのが悪かったのかしら。それとも、現在行っているところで何かでストレスがたまってきたのかしら。どうかアドバイスをください。よろしくお願いします。
(31歳、会社員)

斉藤孝子先生からのアドバイス

詳しい状況がわからないので、はっきりとしたことは申し上げられませんが、何か、お子さんの中に欲求不満があるのかもしれません。一般的には、自分の思い通りにならないイライラの時に、ヘッドバンキングといって、壁に頭を打ちつける動作がでるものなのです。

登園時に、泣いているという状況から考えると、園での生活の中で、何かあるのかもしれませんね。家庭に帰ってからの状況を話し、園での様子を担任の先生から詳しくお聞きになってみてはいかがですか。実際にご相談させていただく中で、解決策が見つかるかもしれません。

また、家で、ヘッドバンキングが起こった時、ケガにつながってしまったら大変です。外に散歩にでてみたり、遊び相手になってあげたりして、気分転換をはかるように心がけてくださいね。

環境によって、子どもは大きく変わります。家庭と同じぐらい長く過ごす保育園です。園の先生と力を会わせて、お子さんにとって、安心できる良い教育環境を作り上げてください。

 

斉藤孝子

斉藤孝子

1963年生まれ。日本ベビーコーチング協会理事。1990年から1992年の2年間、衛星チャンネルで公開授業を放映。各種雑誌での執筆の傍ら、幼稚園などの研修や教材開発を手がける。かぞくの雑誌「きらら」、シングルエイジ教育誌に連載中。「幼児は表現の天才」(アドア出版)「母と子と先生と」(創教出版)「生き方の原理原則を教える道徳教育」(明治図書)などにも執筆。2児の母。