「甘え」がはぐくむ5つの能力

田宮由美

【4】自立心…螺旋を描くようにゆっくり自立していきます

子どもをしっかり自立させ、社会に羽ばたかせていくことが親の役目でもあり、願いでもあるでしょう。そのため少しでも早く自立心を持たせようと、幼いころから何でもひとりでさせたり、甘えないよう厳しくしつけなければと考えるお母さんもいるかもしれません。

しかし、これまでにも書いてきたように、子どもは「親への100%の依存」からはじまり、成長とともに親から離れて自分でチャレンジしようとします。そこで失敗したり、不安を感じると、お母さんのところに甘えに戻ってきます。

つまり、子どもはお母さんがいつも自分を見守っていてくれるという安心感に包まれて「依存」と「自立」を行き来しながら、螺旋を描くようにゆっくりと自立心を培っていくのです。ですから、今焦る必要はないのです。

【5】思いやりの心…十分甘えた子は他人を思いやれます

甘えが必要なときに十分に甘えさせてもらい、自分の気持ちを理解してもらう体験を積み重ねてきた子どもは、他人の気持ちも理解できるようになります。

とくに幼いうちは子どもは大好きなお母さんの真似をしたがります。お母さんにしてもらってうれしかったことを、家族や友だちにもしてあげようと考えるようになります。

必要なときに十分に甘えられた安心感が、相手の気持ちを想像し、相手の立場に立つ思いやりの心をはぐくむのです。

これだけは気をつけて!NGな甘やかし

・物質的(金銭的)な甘やかし

スーパーで「これ買って!」「あれがほしい!」とダダをこねる子どもも多いと思います。そんなときすぐに買い与えてしまうと、それは子どもをダメにする「甘やかし」になってしまいます。

こんなときは「今日は買わないって約束したよね」「おもちゃはお誕生日に買ってあげるからね」と、子どもの物質的(金銭的)な甘えは聞き入れないようにしてください。

反対に、急にお母さんの膝に乗ってきたり、抱っこをねだるときは、何か不安になっているときです。情緒的要求には十分にこたえて、甘えさせてあげてくださいね。

・親の都合で甘やかす

子どもが牛乳をコップに移そうとしているときに、「こぼすといけないから、お母さんがするわ」と手を出していませんか?

反対に、今まで牛乳をコップに移すことができたのに、急に「お母さん、やってー」と言ってきたときに「自分でできるでしょ。お母さんは忙しいのよ」と突き放していませんか?つまり親の都合で甘やかしたり、突き放したりすることがNGなのです。

今までちゃんとできたことを「やってー」とねだってくるのは、何らかの不安を感じているときです。しっかり甘えを受け止めてあげましょう。