挨拶をする子としない子の違い

池崎晴美

挨拶をする子としない子の違いとは? 池崎晴美先生の『12歳までに身につけたい「幸せな人づきあい」の習慣』よりご紹介します。

※本稿は、池崎晴美著『12歳までに身につけたい「幸せな人づきあい」の習慣』(PHP研究所)から一部を抜粋し、編集したものです。

池崎晴美(話し方講師/フリーアナウンサー)
2児の母。ラジオパーソナリティ、NHK、CBC、東海テレビでリポーター、ケーブルテレビでキャスターを務めた後、1994年に(有)フロム・サーティを設立。話し方のプロフェッショナルとして、年間約1万人に話し方の大切さを伝え、話し方講座「ハッピートークトレーニング」の研修をおこなう。

大切なのは、親が挨拶すること

子どもたちが小学生のとき、わが家に友だちがお泊まりをする機会が何度かありました。そのときに「あれ?」と思ったのが、挨拶をする子としない子がいたということ。

朝になって「おはようございます!」と言う子もいれば、何も言わずに朝食のテーブルにつく子もいます。「いただきます!」と言う子と黙って食べ始める子。

その様子を見て思ったのは、「もしかして挨拶には家庭が関係しているのかな」ということでした。挨拶をしない子にさりげなく聞いてみると、やはり家でも「おはよう」や「いただきます」は言わないとのこと。なるほど、と思いました。

そうした経験から、親が挨拶を自然に口にしていれば、子どもも無理することなく挨拶を身につけることを実感したのです。だから、お子さんを「挨拶のできる子」にしたいのなら、まずはお母さんが「挨拶のできる親」になることです。もちろん、お父さんもです。

家庭のなかで挨拶が空気のように当たり前に存在していると、子どもは挨拶に苦手意識をもったりすることはなくなります。

これは知人から聞いた話ですが、お子さんの友だちでとても礼儀正しい子がいるそうです。家にあがるときは「こんにちは。おじやまします」と言って自分の靴を揃える。

返事は「はい」。おやつを出すと「ありがとうござます」と頭を下げる。帰るときには「さようなら。おじゃましました」。小学校4年生だそうです。とてもしっかりしているんだなと感心しました。

あなたのお子さんがそんなふうに、好印象を与えられるようになるとステキだと思いませんか?

「そのためには挨拶の大切さをしっかりと叩きこんだほうがいいんですよね。でも、挨拶ができないからといって怒ってもいいのかしら?」

それはやはりNGです。挨拶ができないからといって叱ってしまっては、子どもは挨拶に苦手意識をもってしまう可能性が高くなるでしょう。「言わされている感」があるとどうしても無理が生じてしまいますし、習慣化しにくい面もあります。

挨拶の習慣をつけるもっとも簡単で効果的な方法は、親自身がふだんの生活で挨拶の言葉を口にすること。これに尽きます。親が挨拶をしないと子どもも挨拶を口にしません。