3歳・7歳・10歳で変わる!子どもの能力を育む「聞き方」

河村京子(母学アカデミー学長)

3・7・10歳 子どもの心をつかむ「聞き方」のコツ

子どもの成長に合わせて、親が子どもとの関わりを変えていかなければならない時期があります。

接し方を変えていく区切りの時期は、3年がひとつの目安です。具体的には、脳の発達過程が変わる3歳(園児)、7歳(小学校低学年)、10歳(小学校高学年)です。

約3年区切りで子どもとの関わり方を変えると同時に、自分で考えて、行動する、自立した子にしていくために、ぜひ聞き方も変えていくようにしましょう。

たとえば低学年までは、安心感や自己肯定感をしっかり育んでいくために「それでどうしたの?」と水を向けながら、根掘り葉掘り聞いて、たくさん共感することが大切ですが、10歳以降は大人として扱い、ただ相づちを打ちながら黙って話を聞くほうがよいこともあるのです。

成長段階に応じ、その時期に適した上手な聞き方をすることで、子どもの能力はさらに伸びていきます。

3、7、10歳別に、子どもの何を育み、そのためにどう話を聞けばいいのかについて、紹介します。

【3歳】「聞くこと」で、「人生は楽しい」と思えるようにしましょう

絵本の中で動物がおしゃべりをしているなど、現実世界ではあり得ないことも全部受け入れることができる柔軟な時期です。

話すことも「ぬいぐるみのクマさんが一緒に遊んでくれたの」「今日はカイジュウと戦ったんだ」というようにどこか空想的で、大人からすると辻つまが合っていなかったり、つくり話やウソのように感じてしまったりすることも少なくありません。

*心をつかむ「聞き方」のコツ:大人目線でメルヘンの世界を否定せず、話を聞きましょう

しかし、空想力は思考力(考える力)につながっていきます。大人が見ている世界とは違う世界にいることを認め、「つくり話ばかり、うそばかり」と思わないで、まずはメルヘンの世界につきあいましょう。

子どもの話を否定せず、大人目線の「正しいこと」を押しつけないで、「そうなの。楽しかったね!」「それはすごいね!」と相づちを打ちながら聞いていくことで、この時期の子どもは安心して、楽しく想像力を広げていくことができます。

それが「人生は楽しいものだ」という安心感につながり、自ら考える力の源になっていきます。