子どもの心を荒らさない! 年齢別・親の関わり方

渡辺弥生
2023.03.24 11:09 2023.03.10 21:53

見つめあう親子

親の何気ない関わりが、子どもの心の発達に大きな影響を与えます。子どもの心を荒らさないために、今、大切にすべきことを一緒に考えてみましょう。

※本稿は『PHPのびのび子育て』2017年2月号より一部抜粋・編集したものです。

渡辺弥生(法政大学文学部心理学科教授)
筑波大学、静岡大学を経て現職。教育学博士。育児に不安を抱える保護者のカウンセリングや家庭教育講座などの講師も務める。著書に、『子どもの「10歳の壁」とは何か?』(光文社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など多数。

心の発達を知って強くしなやかな子に

笑顔の男の子

心が強くしなやかな子、人にやさしく関われる子に育てるのに一番大切なのは、日々の親子の関わりと言っても過言ではありません。

コミュニケーション能力は、自分の働きかけに対して、相手が応えてくれることの繰り返しで育まれていきます。幼児期に、親子で気持ちのキャッチボールを重ねておくことが、子どもの感情コントロール力を育み、コミュニケーション能力を高めることにもつながるのです。

・あなたの感情の揺れにも目を向けて

豊かな感情のキャッチボールは、親に気持ちのゆとりがあってこそできるものです。しかし今は、「わが子の育ちよりも周りの目が気になる」「泣くのが当たり前の子どもに対して『なぜ泣くのだろう』と不安になる」など、子育てに余裕のない親御さんが増えてきているように感じます。

子どもは親の心的環境に大きく左右されます。自分自身の感情の揺れにも、ぜひ意識を向けてみてください。

ここでは3~6歳、7~9歳、10~12歳といった年齢別の心の発達もみながら、どう子どもと関わっていけばいいのかを考えます。今の関わりが、子どもの5年後、10年後に影響してくるので、この機会に、子どもとの日頃の関わり方を振り返ってみましょう。