甘えさせることで育つ力

高橋愛子

子どもにとって「甘える」ことは、生きるエネルギーを充電することです。家庭教育研究所代表の高橋愛子さんが、甘えさせる子育てについて紹介します。

※本稿は高橋愛子著『「甘えさせる」と子どもは伸びる!』(PHP文庫)から一部抜粋・編集したものです。

高橋愛子(家庭教育研究所代表)
家庭教育研究所代表。1938年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。3男1女の母親。カウンセラー、セラピスト、ファミリー・コンサルタントとして、企業や学校などで研修を行なう。2009年より全国の親子支援者と「安心親子応援団」を結成。著書に『頭がいい親の上手な叱り方』(コスモトゥーワン)など多数。

甘えが育てる大切な5つの力

甘えられて、何ものにも邪魔されることなく、自分の思いを存分に温かく受け止めてもらえることで、「うれしい」「楽しい」「幸せ」といった情感が満たされ、子どもは「生まれてきてよかった!」と心から思うようになります。

そしてお父さんもお母さんも自分も大好きになり、世の中のすべてが大好きになります。

世の中のすべてに安心し、生きていること自体がうれしくてたまらなくなりますから、心の中がやる気でいっぱいに満ちて、何をするにも精一杯、思い切りやろうとするようになります。

このように源泉が豊かでたっぷりであるほど、子どもは伸び伸びと育ち、生きていくうえで必要となる基本的な力を身につけていきます。人生を生き抜いていくうえでの根本となる力につながっていくのです。

具体的には、次のようなとても大切な5つの力が育っていきます。

1.自分を好きになる力
2.自分を信じる力(自信)
3.自分を肯定する力
4.何事も乗り越えていく力
5.周りを信頼する力