男の子は思うままに文句を言いがち!?

小崎恭弘

思ったことをすぐに口に出してしまう男児…親はどのような対応をすればよいのでしょうか。
※本稿は、小﨑恭弘著『男の子の自立を決めるお母さんの叱り方』(PHP研究所)より、内容の一部を抜粋・編集したものです。

小崎恭弘 (こざきやすひろ)
保育学者。大阪教育大学教育学部准教授、NPO法人ファザーリング・ジャパン顧問。武庫川女子大学大学院臨床教育学研究科を修了後、関西学院大学大学院人間福祉研究科後期博士課程を満期退学。西宮市市役所初の男性保育士として採用される。市役所退職後、神戸常盤大学を経て、現職。著書多数。

男は思ったことがそのまま口に出てしまう

よく言われる「女の子のほうが口が早い」というのは、ただ話し始める時期が早いというだけでなく、自分の思いを言語化できるようになるのが早くて上手だという意味です。コミュニケーション能力も高いです。

それに対して、男の子は思ったことがそのまま口に出るので、「文句ばっかり言わないの!」となってしまいます。

言葉が出るようになっても、すぐにうまく使えるわけではありません。「ここでこんなことを言ったら怒られる」など、見通しも立てられないので、「しんどー」「えー、まだー」と大きな声で言ってはまた怒られるという繰り返しです。お父さんにも、そんなところはありませんか?(笑)

つまり言葉を道具として使う女性と、感情の表出として使う男性という違いがあるということをまず理解してください。能力の差ではなく、ベクトルの違いです。そのうえで、大人と子どもの違いもあるんです。

だって、理由なんかないんです

子どもの行動はすべてそうなんですが、理由をきかれても答えられません。なぜなら、理由がないからです。やらずにはいられないからやる。言わずにはいられないから言う。「なんでそんなことするの!」と言われても、説明できないんです。言葉も同じです。

だから、文句を言った時、それを叱るのではなく、「そんなふうに思ってたんだね」といったん受けとめてあげましょう。

また、「文句」にカーッとなったとしたら、お母さんの痛いところを突かれたからかもしれません。