奇声をあげる~子どものイライラ行動

おやのめぐみ

精神的な問題? それとも……

世の中には、まったく奇声を発しないで大きくなる子と、奇声を発して周囲を驚かせながら大きくなる子の二種類がいます。識者のなかには、「奇声を発するのは精神的に問題があるからだ」とか、「親の子育てに問題があるのだ」と断言する方もいらっしゃいますが、私はこの説には賛成できません。

個人的には、一歳前の奇声は、何かの拍子に声を上げてみたら「のどが気持ちいい」「なんだかすっきりする」という単純なことなのではないかと考えています。大人がカラオケで大声で歌ったり、スポーツの応援で歓声を上げるようなものですね。

もう少し大きくなると、それまでは「おなかがすいた」「オムツが汚れた」「眠い」などを泣くことで伝えてきた子どもたちの要求が、成長に伴ってバリエーションを広げ、「アレが食べたい」「アレを触りたい」「アレしたい」「アレしてほしい」と細かなニュアンスをもつようになります。

そして、それを伝えるために、さまざまな工夫をする、そのなかの一つが「奇声」ではないかとも私は考えています。

具体的に何をしてほしいわけではなく、状況が好ましくないときなどに奇声を発して自分に注目を集め、「どうしたの?」とかまってほしいということです。これも自分の言葉で要求を伝えられるようになれば、自然とおさまっていくものです。

周囲への配慮を忘れずに

ただし、子どもが奇声を発する時期には、周囲の人への配慮は忘れないでほしいと思います。家族は慣れていても、子どもに慣れていない周囲の人にとっては衝撃ですし、そういう時期だからほうっておいてもいいということにはなりません。

公共の場では、お子さんにやさしく言い聞かせるだけで、ほとんどの人は理解してくれます。周囲の人をいらだたせるのは、奇声がうるさいからではなく、お子さんに対して何もアクションを起ごさない、または必要以上に怒鳴りつけている、といったおとなの態度であることがほとんどだからです。

なにをしても奇声が止まらず、言い聞かせてもおさまらない場合には、電車なら降りる、レストランではいったん外に出るなど、その場を離れるのもできることの一つです。まずは親子ともに落ち着くことを優先しましょう。

※奇声を上げる時期は多くのお子さんにあります。そしてしばらくすると落ち着いていくことがほとんどです。発達に特性がある場合には、この時期が長く続くこともありますが、その子に合った対処法は必ずあります。

専門家にも相談しながら、「うちの子はコレ!」というものがみつけられるといいですね。

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