よじのぼる~子どものイライラ行動
子育てアドバイザー・小屋野恵先生に執筆いただいた家庭直販書『お母さんが変われば、子どもの「イライラ行動」が変わる!』から、周囲をイライラさせる子どもの行動について具体的なアドバイスをご紹介いただきます。
すぐに高いところにのぼる子ども。おりられないくらいに高いところに行ってしまい、大人でも救出に苦労するほどです。これはいつになったらおさまるのでしょうか?
※本稿は、『子どもにガミガミ言いたくなったときの対処法31』(PHP研究所)から、一部を抜粋・編集したものです。
おやのめぐみ(小屋野恵:子育てコンシェルジュ)
子育てや教育に関するテーマを中心に企画・編集・執筆活動を行う。そのやさしさとユーモアにあふれる文章は、多くの読者から支持を得ている。著書に『お母さんが変われば、子どもの「イライラ行動」が変わる!』(PHP研究所)、『お母さん次第でぐんぐん伸びる!男の子の育て方』(メイツ出版)など多数。https://oyanomegumi.com
上へ、上へ
つい先日、私の知り合いの結婚式に出席したとき、新婦の甥も参列していたのですが、一歳半の彼は、ひたすら階段を見つけてはえっちらおっちらとのぼっていきます。頂上までのぼったところを見計らって、パパやママが下におろすのですが、その直後からまた登頂開始! 礼服姿のパパもママも、汗だくで下におろしては上に迎えに行くというのを繰り返していました。
その様子を見ていて気づいたのですが、1歳半くらいだと、階段一段の高さがひざくらいまであります。一概に比較はできないとしても、大人がひざまでの高さの階段をのぼりくだりすることを考えたら、体力が続かず、とてもあんなふうには繰り返せないだろうなぁと思いました。
そのくらい、子どもたちにとって「高いところ」は魅力があるのですね。階段ならまだしも、もう少し大きくなると、腰ぐらいまでの高さならヒョイッと手をかけてのぼってしまいます。傾斜になっているところをどんどん上がって行って、結局おりられなくなり、大泣きすることもありますよね。
できるかぎり付き合う
子どもが高いところにのぼりたがる時期には、体中の筋肉が総動員され、神経と連携してものすごいスピードで発達しています。ひとしきり夢中になってのぼることをマスターしたら、今度は一歩ずつおりることもじょうずになってくるでしょう。
それに、子どもの身のこなしは意外に軽くて、落ちそうで落ちないものです。その甥っ子くんも、ハラハラはしましたが、頭から階段を落ちてくる、または落ちそうになるようなことはありませんでした。
まだまだくだりは危なっかしいものでしたが、段差が低いところなら、自分で器用にバランスを取りながらおりていました。
子どもたちにとって階段は、どこにでもあるすてきなアスレチック施設ですから、見つけた途端に目を輝かせる時期には、できるかぎり付き合ってあげましょう。
「まだ危ないから」「まだ早いから」と先延ばしにすると、そのぶん感覚の発達も遅くなります。本人がやりたがるときが、やらせるとき。俗に言う「黄金期」というものです。
最初は大人の手助けが必要でも、あっというまに成長していくのが子どもたち。できるだけ自由にさせたいものです。