「宿題イヤだ」とグズる子どもを一変させる“親のひと言”

水野達朗、山下真理子

2.タイミングに応じて要約する

<×子どもが話をしようとしているのに「聴こう」「理解しよう」という姿勢がみられない>

子「くみこちゃん泳ぐのうまいんだよー でも今日は厳しいコーチの日なんだよなあー あー…スイミングいやだ…」
親「え? くみこちゃんが泳ぐのうまいのとコーチが厳しいのとどういう関係があるの?」
子「もういい!」

<〇子どもの発信を要約し「聴こう」「理解しよう」という姿勢が見られる>

子「でも今日は厳しいコーチの日なんだよなあー あー…スイミングいやだ…」
親「へえ くみこちゃん泳ぐのうまいの。今日のスイミングはコーチが厳しいからいやなんだね」

3.子どもの気持ちを汲む

<×子どもの話に耳を傾けておらず、相手の気持ちを想像したり汲むことが できていない>

子「コーチいやだ~スイミング行きたくない」
親「コーチがいやだから行きたくないなんてだめでしょ!」
子「うるさいうるさい!もうスイミング行かないから!」

<〇子どもの話を聴き、相手がいまどのような気持ちでいるのか話の内容から察して言葉に出すことができている>

親「コーチが厳しいとスイミングお休みしたくなるときもあるよね でもくみこちゃんみたいに泳げるようになりたいね」
子「そうなの あきこもくみこちゃんみたいにスイスイ泳ぎたい!」

4.1~3をふまえて共感的に理解する

親「そうだよねえ そうなるには練習しないと泳ぎは上達しないもんねえ」
子「うん…コーチ厳しいけどがんばってスイミング行く!」

 *     *     *

子どもは親に話を聴いてもらい、タイミングに応じて要約してもらうことで自分の話が親に伝わっていることを確信します。

自分の気持ちを汲んでもらうことによっていまの自分の状況を理解してもらえたという気持ちになるんです。親は子どもの話を繰り返して聴き、そのうえで子どもの返答を待ちましょう。

子「ママ 宿題やだ」
親「そう 宿題やなの」(繰り返し)
 「……」(待つ)
子「でもやる。終わったらおやつ食べていい?」
親「いいよ」

子どもからの返答がすぐに得られない場合もありますが「しっかりと待つ」ことが大切です。

また、これはあくまでも一例であり必ずしも毎回このようにうまくいくとは言えませんが、『言おう、言おう』ではなく『聴こう、聴こう』の姿勢で親は子どもの話に耳を傾けるよう日頃から意識をしていくことで、『親に言われたから』とやらされ感で宿題をするのではなく、愚痴を聴いてもらってスッキリした気持ちで『自ら宿題に向かえる』ようになるかもしれません。

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