「言わなくてもできる子」になる!年齢別の上手な伝え方

大日向雅美
2023.03.15 15:51 2023.03.15 15:51

3、7、10歳共通! 言うことを聞かないときのNG対応

泣く男の子

まず、年齢に関係なく、子どもを傷つけて、自信をなくさせてしまう親の言葉がけを押さえておきましょう。

・過去をむし返す

「まったくもう! あなたは昨日もおとといも言うことを聞かなかったわね!」など、過去を振り返って責め立てるのはNG。終わってしまったことをくどくどむし返すのは何の意味もなく、子どもの心の中には、いやな気持ち、悲しい気持ちしか残りません。

・周りと比べる

子どもは、友だちやきょうだいと自分を比べながら「自分はどういう人間か」という自己概念を育てていきます。「○○ちゃんはちゃんと言うことを聞けるのに、どうしてあなたはできないの?」と比べられると、マイナスの自己イメージができ、自己肯定感をもちにくくなります。

・未来をなげく

こんなに言うことを聞けないと……「将来ロクな大人にならないわよ!」「野球選手になんてなれないわよ!」などと、子どもの未来を否定するような言葉は、子どもの生きていく希望を奪ってしまいます。言うことを聞かない「今の」「目の前の」行動だけに目を向けて叱りましょう。

3歳…なんでも自分中心に判断。注意しても同じ行動を何度もくり返す

読み聞かせされる女の子

個人差はありますが、自我が芽ばえ始めて「○○はイヤ」「△△がやりたい」などの欲求が出てくるのに加え、なんでも自分中心に判断し、相手の都合や立場を想像することができません。

危ないことをして「ダメよ!」と注意しても、親の手をはらいのけてやり続けることも多いものです。親から見ると”とくに言うことを聞かない時期”と言えるでしょう。

また、この時期の子どもは、記憶力が未熟です。一度注意した行動が、その瞬間は改善されても少し時間が経ったり場所が変わったりすると、注意されたこと自体を忘れてしまい、同じ行動を何度もくり返すこともあります。

友だちとの関わりの中で、「取った」「取られた」からケンカが起こりやすくなるのも、この時期です。

・伝えるときのポイント:「ダメ」の理由をさりげなく根気よく伝える

「ダメ!」「やめなさい!」と叱るだけでなく、「○○だったから注意したのよ」「あなたが△△して悲しいわ」など、その理由や親の気持ちを短い言葉でさりげなく、しかし、根気よく伝えましょう。

友だちのオモチャを奪ってしまったら「それで遊びたかったのね」など、子どもの気持ちに共感してから注意します。

7歳…学校生活の中でルールを重んじるようになり、言葉が届きやすくなる

小学生の女の子

小学校という新しい集団生活が始まり、先生や友だちと関わる中で、ルールを重んじるようになってきます。この時期は、3歳頃とはうってかわって”言うことを素直に聞く時期”。

「決まりは絶対に守る」といった正義感にあふれ、友だちのちょっとしたルール違反を受け流すことができず、すぐに先生に言いつけるといった行動を取ることもあります。

一方、「帰宅後、宿題もせず、すぐ遊びに行ってしまいます」という声を聞きますが、それくらいエネルギーにあふれる年齢でもあります。

宿題をし忘れたら先生に叱られますが、”痛い思い”をすることで「今日は遊ぶ前に宿題を1つ終わらせよう」など、子どもなりに改善策を考えるようになるもの。自分で転び、立ち上がる経験を重ねることが必要な時期です。

・伝えるときのポイント:なぜ「ダメ」なのかを自分で考えさせる

ルール至上主義のこの時期、なんでも言うことを聞くからと「〇〇はダメ」「△△もダメ」と禁止ばかりしていると、子どもの伸びる芽をつんでしまいます。なるべくていねいな言葉で「なぜ〇〇がいけないのか」を子どもに考えさせ、その上で親の考えもしっかり伝えることを心がけましょう。