6歳までが勝負です!才能の芽がグングン育つ「脳の鍛え方」

成田奈緒子

脳は赤ちゃんがおなかの中にいるときから作られ始めていますが、生まれてすぐはまだまだ未熟な状態です。一番大きく脳が成長・発達するのは、生まれてから6歳頃までと考えられています。

ですから、この時期に親をはじめとする周りの大人たちが子どもとうまく関わり、上手に脳に刺激を与えて育ちを促すことは、その子の無限の可能性、才能を伸ばすために重要なのです。

でも、きちんと脳の育ちの原理を理解しておかないと、良かれと思って行なった言動で、逆に子どもの可能性や才能の芽をつぶしてしまうことにもなりかねません。ぜひ、「脳育ての正しい極意」を学んで、子どもが一生幸せに過ごせる脳にし、才能を伸ばしていきましょう。

※本稿は、『のびのび子育て』2013年10月号から一部を抜粋し、編集したものです。

成田奈緒子(なりた・なおこ/文教大学教授・小児科医)
神戸大学医学部卒業。米国セントルイス・ワシントン大学医学部へ留学後、筑波大学基礎医学系講師などを経て現職。子どもの脳の発達に合わせた育児論に定評がある。『早起きリズムで脳を育てる』(芽ばえ社)他著書多数。

才能を引き出すために、2つの脳を鍛えよう!

2~6歳の子どもは、脳の成長がめまぐるしく、昨日より今日、そして明日と、できることが増え続けます。脳は構造や機能の違いから「古い脳」と「新しい脳」に分けられます。幼児期は特に「古い脳」をしっかり育てることが肝心です。

●古い脳――五感からの刺激で育つ

脳幹や間脳など脳の芯にあたる部分の総称で、呼吸や睡眠、食欲や情動など生きるための基本機能を担っています。日常生活で受ける五感からの刺激で、2~6歳の時期に盛んに育ちます。

●新しい脳――親の言動によって育つ

大脳新皮質と呼ばれ、いわゆる「お利口さん脳」のことです。言語や手指を使った細かい動きなど、人間ならではの機能を担っています。親の言葉や仕草を見聞きすることで育ちます。

●前頭葉

新しい脳の中で、論理思考をはじめとする高度な機能を司り、人間社会でうまくやっていくための「心」も担う重要な部分です。

子どもと触れ合って、”シナプス”を増やそう!

脳には神経細胞と呼ばれる細胞があり、神経細胞同士がうまくつながることで脳がよく働きます。

この神経細胞同士のつながりをシナプスと言い、シナプスは対話やスキンシップなど五感からの刺激によって作られます。親がたくさんの刺激を繰り返し与えれば、シナプスの量が増え、「良い脳」へと育つのです。