押しつけはNG!子どもが読む本は自分で選ばせて

中島克治

子どもを本好きにするために、まずは「選ぶ楽しさ」を味わわせてあげましょう。

※本稿は、中島克治著『子どもの本当の「読解力」をグッと引き出す方法』(PHP研究所)より、内容の一部を抜粋・編集したものです。

中島克治(麻布中学校・高等学校国語科教諭)
1962年生まれ。麻布中学校・高等学校を経て、東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文科学研究科博士課程に進んだ後、麻布中学校・高等学校国語科教諭となる。著書に、『小学生のための読解力をつける魔法の本棚』、『本物の国語力をつけることばパズル 入門編』『中学生のための読解力を伸ばす魔法の本棚』(すべて小学館)、など多数。

子どもが選んだ本を買う

本を買うときには、子どもといっしょに書店に行って、好きな本を選ばせるようにしましょう。

「音が出る絵本がほしい」「アニメのキャラクターの本がいい」と言われたとき、こんな本はダメ、と親の要望を押しつけてはいけません。

まずは、本好きにすることが大切なので、書店で選ぶことが楽しいということを味わわせてほしいのです。

親は、子どもがいつまでたっても、しかけ絵本や絵だけの本しか選ばないのではないかと不安になるかもしれませんが、子どもは大人が思っている以上に成長するものです。子どもが本を選んで持ってきたら、おもしろそうね、と共感してあげましょう。

興味のあるものを読ませる

小学校低学年ぐらいになると、子どもの本のコーナーに見向きもしないで、鉄道の雑誌や釣りの本など、大人の趣味のコーナーに興味を持つ子どももいます。

そういう場合も、「絵本じゃないからダメ。もっと物語を読みなさい」と否定しないで、「へぇ、こんな本も読めるのね。すごいね」とほめてあげて、子どもの興味を伸ばしてあげましょう。

童話や物語を読まないと読解力がつかないのではと心配になるかもしれませんが、親が読ませたい物語は、別に家で読み聞かせるなどするとバランスがとれてよいと思います。

本をネットで購入するケースも増えてきていますが、子どもの本は書店で内容を見てから選んで買ってあげたいものです。