子どもの話を「聴く」とは?~子どもの心を整える親の「聴き方」

園田雅代

「聴く」とは、「相手の話をわかろう、理解しようと思いながら聴く」ことを意味します。ですから「聴く」とは、ただ聞き流したり、聞きながら勝手な受けとめ方をしたりするのとは、まったく意味が異なります。

※本記事は、園田雅代著『子どもの心を整える お母さんの「聴き方」』(PHP研究所)より、一部を抜粋編集したものです。

園田雅代(創価大学教育学部教授)
大学にて臨床心理学の教鞭をとる傍ら、臨床心理士として多くの親子・教師のカウンセリングにもあたる。著書に、『自分の気持ちがきちんと言える38の話し方』(監修・編著、合同出版)などがある。

子どもの話を理解しようと思いながら聴くには

カウンセリングなどでは、特にこの「聴く」を重視しており、カウンセラーを目指す人はみんな、この「聴く」の練習が重要課題です。カウンセリングでは、この「聴く」について「アクティブ・リスニング(積極的傾聴)」と呼んだりもします。

それは、相手を理解しようと思って聴くことは、心の中のエネルギーを文字通り”アクティブに(積極的に)”使うことである、という意味だからです。そしてこの「聴く」の練習は、カウンセラーには一生求められるなどとも言われています。それほど重要視されている「聴く」なのです。

「聴く」という漢字をよく見てください(できたら、手もとにある紙に、少し大きめにこの「聴」という漢字を書いてもらえるとうれしいです)。さて、「聴」の漢字をご覧になっていかがですか? 何かお気づきのことはありますか?

そう、「聴」の字のなかには耳だけでなく、目や心という漢字が入っていますね。そこから、「聴く」とは、目や心もつかって(目や心もプラスして)相手の話を聴くことと言われたりします。相手をよく見たり、「わかろう」と心をつかったりしながら聴く、というわけです。

また、「たったひとつの心ではなく、十四の心をもつくらいの思いで相手の話を聴くとよい」という言い方もされます。確かに、「聴」という漢字のつくり(右側)は、「十四の心」と読めますね。

子どもの話は、大人に比べてたどたどしかったり、断片的だったり、話が飛んだりしゃすいものです。「ひとつだけの心ではなく、十四くらいの心で子どもの話を理解しようとするとよい」と覚えていただくと便利でしょう。

「相手の話をわかろう、理解しようと思いながら聴くこと」には、

 ◎聴き手の心が少しは落ち着いていること
 ◎心を落ち着かせて聴こうというかまえがとれること

ということも必要です。あまりに気持ちが動転したりショックを受けたりしている状態では、「わかろう、理解しよう」と、自分の心をコントロールすることもままならなくなってしまいます。)

子どもの心を整える お母さんの「聴き方」(PHP研究所)
子どもの話をよく聴くことは、心の成長に不可欠です。言葉の裏側に隠された子どもの気持ちを汲み取り、心を穏やかに整えるための「聴き方」を紹介します。