家庭は子どもの心をつくる原点
あなたの家は、子どもが安心して帰れる場所ですか?家族全員が幸せになれる場所にするために、大切にしてほしいことがあります。
※本稿は、『PHPのびのび子育て』2014年2月号から一部を抜粋し、編集したものです。
岩立京子(いわたて・きょうこ、東京学芸大学教授)
東京学芸大学教育学部卒業。専門は発達心理学、幼児教育。乳幼児期の発達やしつけなどについて研究している。1男1女の母。著書に『いい母は、いい子をつくれない』(経済界)などがある。
家庭は心を形作る原点
家庭、それは本来、誰にとっても心のふるさとであり、帰っていきたいやすらぎの場所です。家庭は、人の心の原点を形づくるとともに、それ以降の成長を支える場所でもあります。
特に子どもにとっての家庭は、初めて自分以外の人と出会い、集団で暮らす場所となり、そこでやすらぎ、学ぶことの大切さは、その後の子どもの人生にとって計り知れないほど大きいものです。
穏やかな家庭が人と関わる力を伸ばす
子どもは愛情をこめて世話されることで、自分は大切にされ、愛される存在なのだという心地よさと自尊心を得て、世話をしてくれる人に対し、愛情と信頼感を持つようになります。
この愛情や信頼感は、これから出会う人々に対しても同じように働くので、多くの人と良好な関係を築きやすくなります。
また家庭は、子どもにとって心身の安全基地。心が揺れ動いたときやつらいときに戻れば癒され、外の世界に出て行く意欲を回復できます。家庭がやすらぐ場所であるということは、家庭を超えて、子どもがより広い世界で他者と関わりながら、自己の力を発揮していくことを支えるのです。
ただ現代はストレスに満ちていて、大人も悩んだり、行き詰まったりする時代です。
親なら誰でも子どもは可愛く、愛しい存在ですが、様々な原因で家庭本来の機能を壊してしまう、あるいは、雰囲気を悪化させてしまうことがあります。もう一度、家庭本来の役割を考え、どうすべきか考えてみましょう。