登園したくないと泣く子…心の荒れに気づくには

河井英子
2023.03.23 16:07 2023.03.23 16:07

子どもの気になる行動に気づいていますか?

嫌がる子

子どもの行動には、否応なく目につき、気がつき、親もそれに巻き込まれざるを得ないような激しい行動があります。そういう行動は見逃されることはないでしょうが、時にはその現れている外見に惑わされて、その行動を引き起こしている真の原因を見誤ってしまう危険もあります。

例えば、朝、幼稚園に行きたくないと言って泣き叫び、駄々をこねている子どもに対して、幼稚園に行きたくないという行動だけに目を奪われてしまい、なんとかして幼稚園に連れて行こうと強要することがあります。すると、事態はますます悪化してしまいます。

本当は、幼稚園に何か不安な原因があるのかもしれません。お友だちのことや先生のこと、初めての集団生活の中での不安などがたくさんあるでしょう。あるいは、もっと別なところに原因があるかもしれません。

もしかしたら、幼稚園に行っているあいだに、お母さんと妹が二人きりで家にいることに嫉妬しているかもしれないのです。子どもが訴えている本当の原因を見つけなければ、子どもをますます混乱した事態に陥らせてしまいます。

登園したくないと泣く子…心の荒れに気づくにはの画像1

他方では、あまり目立ったかたちで表されなくとも、子どもの心の深い底から発せられている行動もあります。気づくこと自体にむずかしさがあり、親の目を鋭く研ぎ澄ましておかなければなりません。

例えば、黙って素直に幼稚園に通っていても、幼稚園に行きたくないという気持ちを別なかたちで表すこともあります。朝になると熱が出るとか、おなかが痛くなってしまうなどということもあります。突然夜中におねしょが始まったりすることもあります。親は、体の具合が悪いのかと思い、お医者さんに行ったり、薬を飲ませたりします。

それでも幼稚園に行きたくないという本当の気持ちはなかなか見つけにくく、子どもの状態がよくならずに困ることもあります。このように、真の原因を探ることがむずかしい場合も多いのです。

有効な対応がなされないまま、むだに時間を費やしてしまうと、より深刻な事態を招くことになってしまいます。叱るのではなく、「どうしたの?」「嫌なことがあったの?」と、子どもの本当の気持ちを理解するように気をつけたいものです。

子どもの心を“荒らす親”・“整える親”

子どもの心を”荒らす親”・”整える親”(PHP研究所)
子どもが荒れる原因を探ることは、子どもを取り巻く環境や、発達の正しい筋道を改めて見直してみることかもしれません。わが子を荒れた子にしないために、やってはいけない「叱り方・ほめ方・接し方」を紹介します。子どもの発達に合わせて適切な子育てをすれば、子どもの心は自然と整います。