子どもを追いつめる 親がやりがちな5つの”NGぼめ”

河井英子

子どもを追いつめる 親がやりがちな5つのNGぼめ

ほめているつもりが逆効果になってしまっていたとしたら、そんな悲しいことはありません。親として、子どもが納得して本当に良かったと思えるような言葉がけをしたいものです。ここでは、ついやってしまいがちな5つの間違ったほめ方を紹介します。

1.結果のみをほめる

現代のわれわれ大人の世界は、成果主義という結果重視の風潮にさらされています。しかし子どもに対しては、結果のみを評価するのではなく、結果に至るプロセスや細部にしっかり目を向け、具体的なアドバイスや言葉をかけていくことが必要です。

たとえ結果がうまくいかなくとも、そこに至る過程をしっかり認めてやるような言葉を受けて、子どものやる気は高まっていくものです。良いアイデアや動機から発していても結果を伴わないために、まったくダメなものであるということになってはいけません。このような細やかな心配りや言葉がけをするには、親のほうの忍耐や、ゆとりが必要になります。

2.他の子と比較してほめる

「お兄ちゃんよりうまくできたね」などと言われると、子どもは嬉しくなって一生懸命頑張るかもしれません。比較して競争させることは一見、やる気を起こさせる力になります。

しかし結局、他との優劣を意識させることであり、いたずらに優越感や劣等感をもたせる危険性があります。 誰々よりうまくできる、早くできることが大事なのではなく、しっかりと課題に向かい、一生懸命頑張ることが大切であると教えたいものです。

競争をあおることによる弊害は、その後のいじめ問題などにも通じています。”競争社会”のひずみの中で問題行動が発生していることも、心に留めておきましょう。

3.今ほめずに後でほめる

子どもが「お母さん見て! こんな絵を描いたよ!」「縄跳びができるようになったよ!」などと言ってきます。忙しい真っ最中で手が離せないときも多いでしょう。

親はつい「今、手が離せないの。後でね」などと言いがちです。しかし、こんなときの子どもの気持ちを考えてみてください。子どもの高揚した気持ちは、急速に萎んでしまいます。せっかくのやる気がうせてしまうのです。

お母さんの事情もあるでしょうが、できるだけ「後で」は言わないようにしましょう。この原則はほめることだけでなく、叱ることにも適用されます。「後で」は大人の都合です。