自己主張ができず口下手。いじめが心配~子育て相談室

高橋愛子

愛子先生からのアドバイス

――お子さんの気持ちに心を添わせ存分に存在をほめましょう

自己主張が苦手で口下手、コミュニケーション力が低いと決めつける前に、なぜ息子さんがそうなのかを考えていただきたいと思います。子どもは本来、どの子もおしゃべりです。

あなたのお子さんも、小さい頃はおしゃべりではありませんでしたか? それが、なぜ口下手な子になってしまったのでしょう? 何か言うと言い返されたり、非難されたりしていると、「またあの悲しい気持ち、寂しい気持ちになりたくない」と思い、口数も少なくなります。

何を言っても、何をやっても叱られたり、口を出されたりすることが続いていたら、1人でいるほうが気楽になるのも当然です。そのようにお子さんに接してこなかったでしょうか?

心配や焦りが先に立つ気持ちはわかりますが、あなたがまずしなくてはいけないのは、息子さんの今感じていること、思っていることに身を浸して、心を添わせることです。

フィギュア遊び、ゲーム、マンガに対する否定的な気持ちがあるなら、それも脇に置いて、お子さんが今どんな気持ちで遊んでいるかに心を添わせましょう。

「何をしていても、あなたのことが大好き」

そもそも楽しいものがあるというのはいいことですよ。それを認めてあげ、「何が楽しいの?」「どのマンガがお勧め?」と子どもと一緒に楽しんでください。それがコミュニケーションになります。

そして、お子さんのよいところをほめ、「あなたがマンガばかり読んでいても、ママはあなたのことが大好きよ」と強く伝えてほしいと思います。

「こうすべき、ああすべき」「こうあらねばならない」から脱し、お子さんのありのまま、存在そのものを受け入れ、ほめてください。するとお子さんは自分自身が好きになれます。

人間には気質があります。息子さんはどちらかというと1人が好きな子なのですから、そこをどうにかしようとする必要はありません。「自分を好きな子」でいられれば、おのずと「考える力」が育っていきます。自分を信じる力が育ち、人とコミュニケーションしていくことができるようになります。

もし、親の理想通りにできないことでお子さんを責めるのであれば、それはいじめていることになってしまいます。親にいじめられている子は自分に弱点を感じているので、外でもいじめられやすい傾向があります。

ご主人の姿に対しても本気で寄り添って、本当に非難することなのかと再考なさってみてはいかがでしょう。