幼稚園が怖い~子育て相談室

斉藤孝子

斉藤孝子先生からのアドバイス

このメールをいただいてから、かなり日にちが経ちますが、お子さんはその後どうですか。

お子さんは、精神的な病気ではありません。大人から見ると、三つあみをほどかれたぐらいで…と思うかもしれませんが、4歳のお子さんにとってはすごくすごく大きなことであるということをまず、わかってあげてください。

12日間休んだあとの通園は、お子さんにとって、心配だったに違いありません。感受性が強いというより、かなり不安があったに違いないだろうと察します。嘔吐までしてしまうなんて、よほどショックだったのでしょう。

お母さんがおっしゃるように、病気のために自分に甘えてはいけないと厳しく育てる…これはとてもよくわかります。家庭で保護がすぎると、自分に甘く逃げる環境を作ってしまいますから。

しかし、だからといって、あまり厳しく突き放されると、子どもは家族の中での自分の居場所を失ってしまいます。お子さんの気持ちをわかってあげ、受け入れてあげること…。そして、どんな時でもお子さんがお母さんには何でも話せるという心の窓を開いてあげていてほしいのです。

幼稚園の話を話題にしないのではなく、お子さんが話せる環境を作り、真正面から立ち向かっていく強さを伝えていきましょう。

『「やめてね。」とお母さんだったら言うかな』などと話せる場があれば安心です。誰にも話せず、一人の胸にしまう…というのが、一番危険です。そして、何かあった時は、担任の先生とまめに連絡をとるようにした方がいいですね。

同時に担任の先生にお話しして、お子さんが安心して遊べる仲良しのお友達を見つけていただきましょう。友達の力は大きいものです。あとは、何か一つでいいので、これは得意!という自信になるものを見つけてください。

家のお手伝いでもいい、習い事でもいい…。人間って自信になるものがあると、強く、前向きに生きられるものですよ。