【年齢別】脳科学的に正しい「甘えさせ方」

澤口俊之
2023.03.30 15:21 2023.03.29 15:15

【7〜9歳】励ましながら、やる気に火をつける!

勉強する女の子

この時期には、脳の自己報酬神経群、すなわち「自分でやりたい」という本能を生み出す部位が大きく発達します。自分が「やろう」と思ったことを最後まで成し遂げる喜びを感じるようになるので、そのことを利用した甘えさせ方をするといいでしょう。

できれば、子どもが何かに熱中しているときは、本人の気が済むまでやらせてあげましょう。好奇心をもって自分から「やりたい」「やろう」と思ったことに熱中することは、脳の発達にとてもよいのです。

それを、親の都合で「もういいかげんにしなさい」などと言ってやめさせると、脳の発達が妨げられてしまいます。さまざまな経験をさせ、子どもが興味をもったことは、どんどんさせてあげてください。

ただ、時間を守り、規則正しい生活を送ることも心がけましょう。

まじめなお母さんほど、どこまで子どもに甘えさせていいのか、「甘えさせ」と「甘やかし」はどう違うのかと悩みがちです。

その結果、「○○してはいけない」「○○しなければいけない」という考え方に陥ってしまうようですが、そうやってお母さん自身が追い詰められてしまうことは、子どもの脳の成長にとってはマイナスです。

私が今回お話ししたことを含め、子育ての方法論はいろいろありますが、子どもにはそれぞれ個性がありますし、どんなに「いい」と言われている方法でも、それがわが子の個性をつぶしてしまうものなら「百害あって一利なし」です。

お母さんには、どうか肩の力を抜いて、「私の子だから大丈夫。うまく育つわ」ぐらいに、おおらかな気持ちで子どもに接していただきたいと思います。

今、脳科学者の間ではアフリカ南部のある民族の子育てが注目されています。そこでは、仕事や家事をしているときも、親はいつも子どもを抱いています。母親だけでなく、民族みんなで子どもの面倒をみます。

そうすると子どもは安心しますし、母親の心も安定します。母親と子どもの脳は同調するので、お母さんの気持ちが楽であれば、子どももストレスを感じることがありません。それが、脳の発達にとっていいのではないか、原点に戻って子育てを見直そう、という流れになっています。

今の日本で、アフリカのお母さんと同じような子育てはできないかもしれませんが、そのおおらかさは見習いたいものです。くれぐれも、子育てを難しく考えすぎないこと。

たっぷり遊んでしっかり食べ、ぐっすり眠って早寝早起き……という、ごくあたりまえの生活習慣を身につけさせることが大事です。