子どもを成功に導く!「スモールステップ」の言葉がけ

shizu

「こんなこともできないの!?」は禁句です!子どものチャレンジを成功に導くコツをご紹介します。

※本稿は、shizu著『言葉がけひとつで行動が変わる! 子どもの叱り方・伝え方』より、一部を抜粋・編集したものです。

shizu(ASD発達支援アドバイザー)
親子で場面緘黙の経験を持ち、長男が3歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断される。その子育て経験とASDの子どもへの訪問療育での学びから『発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ』(講談社)を出版。20万部となる。他に、『「言葉かけ」ひとつで行動が変わる!子どもの叱り方・伝え方』(PHP研究所)、『発達障害の子と親の心が軽くなる ちゃんと伝わる言葉かけ』(KADOKAWA)、ブログ「発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉」。

「スモールステップ」で成功体験を重ねる

できない、難しい課題にぶち当たったら、その課題を小さく分けて取り組んでみましょう(=スモールステップ)。

ひとつできたらほめる、またひとつできたら、またほめる……という「成功体験」を重ねることで段々と自信がつき、「できない……」と思っていたことが「できた!」に変わり、目標が達成しやすくなります。

私が以前、ママ友と、その娘さんのAちゃんと公園に行ったときのことです。

Aちゃんは、平均台をなかなか渡れずに固まっていました。Aちゃんのママは励ましの声をかけましたが、Aちゃんはどうしても前に進むことができません。

一般的に親は、子どもの課題解決がなかなか進まないことにイライラして、「こんなこともできないの!?」と、子どもが萎縮する言葉をかけてしまいがちです。

私は、ママ友に代わって、スモールステップでAちゃんに声かけをすることにしました。

目標とする位置を、一歩足を踏み出したところに定め、「ここまで来られる?」と声をかけたのです。

そして、一歩踏み出せたら「そう! できたね! じゃあ、次はここまで来られるかな?」と、次の目標の位置を手で示します。

一歩一歩と目標の位置を伸ばし、その都度「やった! できた!」と声をかけることで、結果的に平均台を全部渡り切ることができました。

Aちゃんの誇らしげな顔に、私も思わずうれしくなりました。

子どもと一緒にチャレンジを続ける

もし、子どもが途中で「イヤ!」と強く抵抗したら、最後までやることを強制するのはやめましょう。途中まで進めたことを評価して、「ここまでできたね! やったね!」と、成功体験で終わるような声かけを心がけてください。

そして、また別の日にチャレンジし、少しずつできることを伸ばしていければいいですね。

すぐにできるようにならなくても、「大丈夫、できるようになるよ!」と勇気づけながら、焦らず長い目で、子どもと共にチャレンジを続けてください。

子どものときにチャレンジしたさまざまな経験が、やがて大人になったとき、確実な自信につながっていきます。

言葉がけひとつで行動が変わる! 子どもの叱り方・伝え方(PHP研究所)
怒鳴ってばかりの毎日、子育てのガミガミ、イライラはもう卒業。子どもにしっかり伝わって、「困った行動」がみるみる改善する言葉がけの具体例をわかりやすく紹介します。