子どもの好奇心を育てる図鑑活用法

親野智可等(教育評論家)
2023.04.03 15:25 2023.04.03 15:25

図鑑は大きくわけて2種類

○より深く知識を得られる「博物型図鑑」

たとえば、昆虫図鑑には多種多様な昆虫が博物的かつ羅列的に紹介されています。私はこういう図鑑を「博物型図鑑」と呼んでいます。同様に、植物図鑑には植物が、動物図鑑には動物が博物的に紹介されています。興味をもった分野について、より深く知識を得るのに効果的です。大迫力の動画が見られるDVD付録がついているものもあります。

・内容がおもしろく編集された「テーマ型図鑑」

『くらべる図鑑』(小学館)『なぜ? の図鑑』(学研)のように、特定のテーマをもとに編集された図鑑が「テーマ型図鑑」です。前者は世の中にある、あらゆるものをくらべています。


[新版]くらべる図鑑
子どもの好奇心を育てる図鑑活用法の画像1

後者は「なぜウサギの耳は長い?」など、多種多様な「なぜ?」を扱っています。もともと子どもが興味をもちそうなテーマが選んであるので、誰でも楽しく読めます。

図鑑をうまく活用するには?

家族団らん

【1】子どもが長くいる場所に出して置いておく

図鑑は置き場所が大事です。リビングやダイニングなど、子どもが多くの時間を過ごす空間に置きましょう。また、いちいち本棚などにしまわせると使わなくなりますので、うるさく言うのはNGです。

寝るとき本棚に片づけても、朝になったら親が出しておくとか、子どもが園や学校から帰宅する前に出しておくなどしましょう。とにかく、すぐ手が届くところに置くようにすることが大事です。

【2】ことあるごとに親が率先して一緒に調べる

テレビでパンダを見たら動物図鑑で調べ、飛行機を見たら乗り物図鑑で調べます。庭でバラの花を見たら植物図鑑で調べ、パパが沖縄に出張したら地理図鑑で沖縄を調べましょう。

このように、あらゆるきっかけを活かして図鑑で調べるようにしていると、知識がどんどん増え、知的な好奇心もぐんぐん育ちます。親が率先して行なっていると、子どもも真似してよく調べるようになります。

【3】調べたところに「足跡」をつけておく

図鑑で調べたら、見出しをマーカーで塗るとか、キーワードをボールペンで囲むなど、ちょっとした「足跡」を残しましょう。足跡を見る度に読んだ内容が瞬間的に思い出され、記憶の定着につながります。足跡がたまってくると、もっと増やしたくなるものです。

続けているとあちこちに足跡がたまって、「マイ図鑑」という感じになります。「きれいに使わせる」より「使い倒す」ほうが子どもは伸びます。