「NO!」と言える親子関係を築くには?
子どもが悪いことをしたら「勇気づける」
反対に、子どもが悪いことをしたときも、「叱る」ではなく「勇気づけ」をしましよう。例えば、子どもがイライラするあまり、わざとコップを割ったとしましょう。
このときお母さんは、「こんなことしちゃダメじゃない!」と叱りつけるのではなく、「わざとコップを割るなんて。お母さん、イヤだからやめて」とお母さんの「イヤ」「やめてほしい」という気持ちをはっきりと伝えるのです。
もしも子どもが、社会的に悪いことをしたり、他人に迷惑をかげたり、自分の命を粗末に扱うようなことをしたときは、「そんなことしちゃダメ!」と、はっきり「ダメ」と示さなければいけません。
そのうえで、「あなたがそんなことをしたら、お母さん、悲しいよ」と、お母さんの「悲しい」気持ちを伝えてください。
このように、お母さんは日常のなかで自分の素直な気持ちを、子どもにどんどん伝えていきましょう。回りくどい言葉だと子どもはピンとこないことがありますから、なるべく端的な言葉で。
「うれしい」「楽しい」「大好き」「素敵」「悲しい」「寂しい」「悔しい」「イヤ」「嫌い」などです。
子どものやることを見ていると、そういったお母さんの「感想」はたくさん出てくるのではないでしょうか。
例えば、子どもの描いた絵を見たとき、「わあ、きれい! お母さん、こういう絵、大好き。楽しい気分になったよ! なんでこの絵を描こうと思ったの?」子どもがごはんを残さずに食べたら、「きれいに食べてくれて、お母さん、うれしいな。明日は何をつくろうかな?」などです。
ここで「きれいに描けてすごいわね」「ごはんを残さず食べてえらいわね」と言うと、お母さんの評価で話が終わってしまいます。
しかし、お母さんが自分の素直な気持ちも伝えて、「楽しい気分になったよ! なんでこの絵を描こうと思ったの?」「明日は何をつくろうかな?」などとつづけていけば、会話をどんどん膨らませることもできます。
お母さんがそうやって子どもとコミュニケーションをとるうちに、子どもも自分の素直な気持ちを伝えられるようになっていきます。
はっきりNO!と言える子に―自分の意思を伝えられる子どもは伸びる(PHP研究所)
子どもがはっきりと「NO!」を言えるようになること。それは、子どもがイキイキと成長し、人生を歩んでいくための原動力になります。そして、イキイキとした子どもの姿は、お母さんはもちろん、周りの人々をもっと幸せにしてくれます。