子どもと遊ぶ時間が取れません~子育て相談室

高橋愛子
2023.04.10 14:37 2023.04.06 16:06

高橋愛子先生からのアドバイス

手つなぎ

――笑顔を取り戻し「できること」だけに目を向けましょう

フルタイムでの仕事と子育ての両立、よくがんばっていらっしゃいますね。気持ちが焦ってあくせくしてしまう、頭の整理がつかず悩んでいるということですが、まず整理していただきたいのは、外での仕事と家庭での仕事は違うということです。

あなたは外での仕事のやり方、求められる価値観を家の中に持ち込んで、「こうしなければ」と考えていませんか? 外での仕事は結果が必要で能率かつ効率が求められますが、家庭の中ではプロセスが大事です。

また、家の中のことは答えは1つではありません。「こうしたのだから、こういう結果が出るはず」は通用しないのです。その区別がないことでつらくなっているのかもしれません。

また、自分ができないこと、自分にないものばかりに目を向けず、できるもの、あるもの、あなたがもっているものに目と心を向けると、心が安定します。今、あなたは入院中でもなく帰宅できるのですから、「子どもと遊ぶ時間がとれない」ではなく「働く時間がある」と思うことです。

そして、遊ぶ時間をわざわざ作る必要はないのです。子どもとの関わりは量より質が大事。ご飯を食べながらだって子どもと遊べますし、帰宅したときに「みんなに会いたかったよ」と抱きしめるだけでもいいのです。

 ◎「あなたたちに早く会いたいから、早く帰ってきたのよ」

花

きょうだいげんかも、お母さんがいるから安心してできるのです。ですから、「せっかく早く帰ってきたのに!」と目を三角にせず、「私が早く帰ってきたのが、うれしいのね」と捉えることですよ。

家庭の一番の財産は、お母さんがつくりだす喜びです。どうしたら皆に喜びを味わわせてあげられるかが大事なのです。

ですから、何よりも重要なのがお母さんの笑顔です。子どもが一番喜ぶのが、お母さんの笑顔なのですから。帰ってきたときは「よくお留守番してたね。あなたたちに早く会いたいから、早く帰ってきたのよ」と、笑顔で子どもたちをほめたたえてください。

上のお子さんとお友だちとのいざこざについては、あなたの意見は後回しにし、お子さんに「寂しい気持ちだったのね」と子どもの思いを丁寧になぞってあげてください。

笑顔を忘れず、子どもを存分に甘えさせ、子どもの気持ちが常に満たされていけば、お子さんは自分も好きになり、お友だちも好きになっていきますよ。