「ママを取られたみたい…」子連れ再婚のモヤモヤを溜めない習慣

玉居子泰子(たまいこ・やすこ)
2023.04.13 13:35 2023.04.13 13:26

「ママを取られたみたい...」子連れ再婚のモヤモヤを溜めない習慣の画像1

今の時代、シングルでの子育てから、新しい出会いがあっての子連れ再婚も珍しいことではありません。ステップファミリーだからこそ、親も子も安心して気持ちを話せる「かぞくかいぎ」を通して、お互いの気持ちを丁寧に聞きあった家族の実話を紹介します。
※本稿は、玉居子泰子著『子どもから話したくなる「かぞくかいぎ」の秘密』(白夜書房)を一部抜粋・再編集したものです。
※いわゆる、会社で行なわれているような一般的な会議は「会議」と表記し、家族がフラットに意見を交わし合うことは「かぞくかいぎ」「かいぎ」と表記しています。

玉居子泰子(たまいこ・やすこ)
1979年、大阪生まれ。出版社勤務を経て、フリーランスの編集・ライターに。育児・教育雑誌『AERA with Baby』の編集・執筆に携わり、また、妊娠・出産、子育て、仕事、福祉などをテーマに、多様な媒体で記事を執筆。2015年頃、自身の家族との対話を見直したのをきっかけに、様々な家族の家族会議を取材し始め、本書のもととなった「家族会議のすすめ」(東洋経済オンライン)を執筆。さらに、関連記事も『AERA with Kids』、日経DUALなどに多数寄稿。NHK『おはよう日本』に出演するなど、その家族会議の様子が注目を集めている。ワークショップも実施中。二児の母。

結婚前からスカイプで「かぞくかいぎ」

「ママを取られたみたい...」子連れ再婚のモヤモヤを溜めない習慣の画像2

京都に暮らす3人家族、柴田純治さん、志帆さん、格くんは、いわゆるステップファミリー。2016年に結婚し、お母さんが当時小学1年生だった息子を連れて、千葉からお父さんとなる純治さんの住む京都に引っ越してきました。

コーチングの仕事で知り合った柴田家夫妻。何度目かに子連れで会ったとき、「純ちゃんってパパみたい」と息子が言ったことから、結婚を決めたと言います。

お互い急な展開に不安もあったそうですが、新生活に備え、それぞれが気持ちを出し合えるようにしようと、正式に家族になる前から、スカイプを使って「かぞくかいぎ」を重ねました。

話題は、住む場所や引っ越しや転校に関するあれこれ。再婚に伴う大切なことを大人だけで決めず、息子を入れて丁寧に対話してきました。

再婚後、次第に膨らむストレス

息子の理解を経て再婚。さあこれでめでたしめでたし、と終わらないのが家族というものです。新生活も京都の学校への転校も、スムーズに進んだと思ったのもつかの間。しばらくするとモヤモヤとした気持ちが、3人の中に生まれてきました。

息子はやっぱり千葉での祖父母との暮らしが恋しくなり、お父さんはこれまでの独身生活から突然小学生の”パパ”になったことへの戸惑いがある。お母さんには、間に立つ気苦労もあったはず。

予想していたとはいえ、我慢や遠慮がたまり、イライラが募りました。その流れを変えるために役立ったのが、再び「かぞくかいぎ」でした。