中学生の子「スマホほしい」 親はどう応えれば正解?
親の収入も子どもにフルオープン
「家事を分担するということは、役割を持って家庭をみんなで回していくこと。だったら家族で使えるお金を把握する必要もありますよね。お金のことだけを曖昧にしたり隠したりするのは遼くんに失礼だと思ったんです」とお母さんは言います。
なるほど、大人は仕事を持って収入を得るけど、中学生は学業が仕事のようなもの。
家事を協力し合って家庭を「運営」するとなれば、生活に使えるお金を子どもにオープンにしないのは、確かにフェアじゃないかもしれません。
しかし実際に、親の収入を、子どもたちに伝えるのは勇気がいることです。子どもに「え、それだけしか稼いでないの?」などといわれたら、ショックです……。
ただ、息子さんは当時中学生。
「そろそろ、知ってもらってもいいと思った」というお父さんの言葉通り、将来を見据えたお金教育を行うには、良いタイミングだったのです。
リアルなお金事情が子どもの金銭感覚を育てる
「親の収入のことを知るのはおもしろかったですよ」と息子さんが言うように、かぞくかいぎを通して自然にお金のリアルを学べるのは、中学生の息子さんにとっても興味深いことだったようです。
事業をしている親の収入は月によって変動すること。およその収入見込みはあれど、その通りにいかないこともあるし、逆に目標額をいつもより高く設定し、プラスアルファの仕事をするのも可能なこと。
何より、使えるお金には上限があり、生活にはやりくりが欠かせないこと。
そうした当たり前の金銭感覚が自然に身に付いたと息子さん。
「大学時代に一人暮らしを始めたときも、生活にはこれくらい必要だなとか、今月はバイトを頑張って財布にこれくらいあるから生活費以外に何か使えそうだなとか、そういうことは最初から感覚的にわかっていたような気がします」
お金と生活が密接に繋がってることを知っていたんですね。
スマホが欲しくてプレゼンに四苦八苦
同時に、息子さんは、欲しいものがなんでもすぐに手に入るわけではないことも、かぞくかいぎを通して学んだと言います。
「中学3年生のころ、周りがみんなスマホを持ちだして。やっぱり僕も欲しくなったんですよね。親に伝えたら、『なぜ欲しいのかプレゼンしろ』と」
息子は最初、ケイタイとスマホの違いや、機種ごとの違いをワードにまとめてメールで繁勝さんに送ったそうですが、これは即、却下。
「プレゼンは、メールで資料を送りつけることじゃない」とにべもないお父さん。
「機能の違いを聞いているんじゃないの。スマホを使うことのメリットやデメリットは何か、親が心配していることは何か、それについて遼くんはどう考えるのか、そういうことを聞きたいんだよ」というお母さんのアドバイスを受け、息子さんは改めて資料を作り直します。
息子さんも大変です……。
何度目かのかぞくかいぎの場でプレゼンをして、ようやくスマホをゲット。