親の「どうしてできないの?」が子どもに与える悪影響
スモールステップで成長を見守る
子どもは成長の過程でいろいろな物事を覚えていきます。できることより、できないことのほうが多いのは当たり前ですよね。
それを「どうしてできないの?」「なんでできないんだ」と責めても、本人はまだやりかたがわからないだけかもしれません。
まず「どうしたらできるかな?」「どこがむずかしい?」と聞いてあげましょう。そして、わからないことやむずかしいことがあれば、わかるまで教えてあげてください。
すでに子どもがわかっていることでも、やらないことがあります。たとえば「約束は守ること」と教えたのにそれを破ったら、注意しなければなりません。
その場合も「なぜ約束を守れないの?」と過去を「否定形」で問うのではなく、「どうすれば約束を守れるようになる?」と未来に向けた「肯定的な声かけ」をします。
×よけいなひと言 「どうしてできないの?」
◎わかりあえるひと言 「どうしたらできるかな?」
「どうしてできないの?」という言い方は、本人に問題があるという人格否定にもつながります。「どうすればできるようになる?」と「行動」の問題解決に向けた話し合いをしましょう。
子どもにとって難しいことや過剰なことを要求し、「いつになったらできるの?」「この前も教えたじゃない!」と圧力をかける親もいます。
けれども、量やレベル的に無理なことを1人でスムーズにこなせるわけがありません。
本人に合ったことを「スモールステップ」で、手伝ってあげながら教えることが、子どもの成長をうながします。
よけいなひと言をわかりあえるセリフに変える 親子のための言いかえ図鑑(サンマーク出版)
カウンセラーとして20年以上、たくさんの方の悩みに接してきた著者が、良好な「親子関係」を築くための「言葉のかけ方」8シーン92パターンを解説。幼児から小中学生、成人まで、幅広い世代の「子ども」を対象にした言いかえの言葉に加え、自分が「親」につい言ってしまう言葉の言いかえも紹介する。