なぜ家で勉強できない? 子どものやる気が低下する「NG環境」
子どもの集中力が高まる「位置」の見つけ方
◎子どもはとかく気が散るもの
勉強場所は決まりましたでしょうか? あともう1つ、勉強場所で確認したいポイントがあります。
それは、勉強場所から見た「子どもの視線」です。
親の視線が届く場所だとしても、子どもの視線の先に、集中をさまたげるものがあると、子どもは勉強に集中できません。
机の目の前がテレビだとか、興味を引くマンガ本などがズラリと並んでいるといった状況では、子どもはついついそちらに気持ちが移ってしまいます。女の子であれば、小物やお気に入りのグッズなどが近くにあると、ついついそちらに気が向いてしまいます。
このようなことが起こらないようにするためにも、勉強する視線の先には、気になるものは何も置かない、手の届くところにも置かない、という工夫が必要です。なかなか集中できないお子さんの場合は、目の前を壁にするのもいいでしょう。
それから、あまりにも日当たりがいい場所も、勉強をするにあたってはふさわしくありません。
勉強をする方角としてオススメなのは北向き。それがダメなら東向きです。
光が強すぎると、座っているだけでまぶしかったり、手元のテキストが見づらくなったりします。逆に、手元が暗くなる場合は、デスクライトなどを設置して、ストレスなく勉強ができる環境をつくってあげましょう。
もちろん、それぞれの家の状況もあるでしょうから、完璧な学習環境をつくることは難しいと思います。できる範囲で整えてあげればOKです。
快適すぎる勉強場所はNG
やる気が出ない、集中が続かない原因として、意外な盲点となっていることがあるので、それについても触れておきたいと思います。
それは、勉強場所の近くに、横になれるソファーやベッドがあるという場合です。お子さんを子ども部屋で勉強させている方もいると思いますが、勉強机とともにベッドが置かれているとしたら、要注意です。
1つは、親の視線がないこと。これは、すでに説明したとおりです。
そしてもう1つは、こういう横になれる場所が近くにあると、ついつい机から離れベッドに横になってしまう危険性があるということです(リビングのテーブルで勉強する場合でも、近くにソファーがあると同様の危険性がありますが、親の視線がある場合は大丈夫でしょう)。
横になると当然、眠くなりますので、集中力が続きません。勉強はそこでストップしてしまいます。
私も中高生時代、自室で勉強をしていましたが、勉強机のすぐ隣にベッドがあったため、参考書や教科書を読むときは、ついベッドに横になってしまっていました。すると、5分もたたないうちに眠くなり、寝落ちしてしまうのです。
では、どうすればいいのでしょう?
こうした場合は、部屋を模様替えする、あるいは勉強場所自体を変えるなど、できるかぎりの工夫をしてほしいと思います。たかが勉強場所と思うかもしれませんが、これは学習環境づくりにおける意外な盲点なのです。
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