高校入試の勉強はいつから始めるべき? 人気講師が重視する「中3の0学期」
入試向け教材を揃えて各教科1冊をやり尽くせ!
入試勉強に取り組む前に準備しておくべきことの3つ目、「入試向け教材」──。
これを準備するタイミングは中2の冬休みです。遅くとも模試が返ってくる1月末までには揃えておきましょう。
私の塾がある愛知県尾張地区の場合ですが、中2の3学期になると多くの中学で入試向け教材が5教科5冊、配布されます。
このように中学から教材が配布されるような地域であれば、ありがたくこちらを入試のメイン教材として利用していきましょう。
もしもそうでない場合は、「市販の入試向け教材」で準備していく必要があります。
私が入試勉強のメイン教材としておすすめするのは、まずは進研ゼミやZ会のような「通信教材」です。理由はすでにお伝えしたとおり、試行錯誤が重ねられているために完成度が高く、解説も細かいからです。
また、書店で購入できる市販教材でしたら、旺文社の『中学総合的研究問題集』シリーズがおすすめです。類書と比べて一番解説が詳しく、紙面の3分の1以上を割いて解答の解説がされているうえに、各単元の紙面も見やすいです。
各教科の辞書がわりに使えるという意味において、この問題集の本体である『中学総合的研究』とあわせての購入をおすすめします。
大切なのは、決めた「入試向け教材」を各教科1冊やり込むことです。不安な気持ちを落ち着かせるように、1冊目をまともにやり込まないまま2冊目の教材を買ってきてしまう子がいますが、これは成績が伸びない典型的なパターンです。
2冊がいずれも中途半端な仕上がりとなり、いいことは1つもありません。まずは1冊目の教材をしっかりとやり込むことが大切です。
具体的に言えば、間違えた問題に印をつけながら、問題の解説をしっかりと読み、できなかった問題をできるようになるまで2回、3回と繰り返し取り組むのです。答えの解説を読んでも理解できない問題は、「周りの人」に質問して解決していきます。
こうやってあらためて入試勉強への取り組み方を見ていくと、あることに気がついたかもしれませんね。
そう、入試勉強の取り組み方は、中間・期末テストの取り組み方とほぼ一緒なのです。違いと言えば、使用する教材の扱っているのが全範囲で、入試レベルまで掲載されて難易度が上がったくらいです。
入試勉強も中間・期末テストの勉強と変わらぬ手順で取り組み、しっかりと1冊目を仕上げていきましょう。2冊目を検討するのは、その後で充分です。
なお、塾に通っている人は入試向け教材を自分で購入する必要があるかどうかを先に確認してください。多くの塾で、入試対策教材を配布する予定があるはずです。