注意されると逆ギレ…「発達障害の子」を叱る時に重要な4つのポイント

村田しのぶ
2024.07.10 22:48 2023.05.08 06:00

・「絵カード」など視覚サポートを使って、コミュニケーションする

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「簡単な言葉で短く」伝えると言いましたが、発達障害をもつ子どもに何かを伝えるときは、言葉だけよりも、視覚を利用したほうが伝わりやすい場合があります。

日々、子どもを観察していて、
・目で見たほうが理解しやすい(話すだけでは伝わりにくい)
・言葉や文字だけでなく、写真やイラストがあると理解しやすい
・複数の手順を覚えておくのが苦手(わからなくなるとパニックを起こす)
といったことがあるなら、視覚サポートを使うといいでしょう。

視覚サポートでよく利用するのは「絵カード」です。イラストとイラストを表わす文字が書いてある小さなカードです(たとえば、りんごのイラストと「りんご」という文字)。知育カードとしてさまざまな種類のものが市販されています。

絵カードなどの視覚サポートを使うと、
・ 「指示」を伝える(「ごはんを食べて」「着替えて」など)
・ 「手順」を示す(今日の予定を絵カードで並べて見せる)
・ 子どもが「意思」を伝える(「トイレに行きたい」「りんごを食べたい」など)といったことが比較的スムーズになります。

たとえば、発達障害の特徴のある子どもは予測がつかないこと、突発的なことに強い不安を感じ、不安が強くなるとパニックになります。今日の予定や何かをするときの手順を、あらかじめ絵カードで示して説明しておくと、子どもは把握しやすくなるので、不安がぐんと減るのです。

言葉で意思を表示するのが苦手な子どもも、絵カードを使えばコミュニケーションしやすくなります。たとえば「トイレに行きたい」と言い出せない子どもも、「トイレ」と「行く」という絵カードを表示し、「トイレに行きたい」と伝えることができるのです。

また、手を洗い始めると途中でやめることのできない子には、事前に両手の平、左手、右手の甲を何回洗えばよいかを示した絵カードを見せておき、洗いながら再度見せると洗うのをストップできるようになります。

絵カードを使った指示を子どもができたら、「よくできました!」と褒めましょう。小さなことですが「できて当然」とせず、「できたら褒める」を繰り返すと、子どもは次からどう行動したらいいかをイメージしやすくなります。

絵カードには市販以外にも、無料で自作できるサイトや、便利なイラストやアイコンを無料でダウンロードできるサイトもあります。子どもの年齢や必要な行動に合わせて、家庭でよく使う指示などの絵カードを自作してみるのもいいでしょう。

つくり方のポイントは「情報はシンプルに!」です。1つのカードに複数の情報を入れないようにしましょう。

村田しのぶ

秦野市就学指導教育支援員、公立小学校特別支援非常勤講師、保育所等訪問支援員、放課後等デイサービスにて児童支援員。

神奈川県綾瀬市、秦野市立小学校の普通学級教諭を15年務める。その際、学級の中に自閉スペクトラム症、場面緘黙症など、さまざまな発達障害の児童がいたことがきっかけで特別支援を要する児童の教育に関心を持ち、その後、特別支援学校教諭の免許を取得し、特別支援学級を25年以上にわたって担当する。

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長年、小学校の特別支援学級で先生として、家庭では発達障害の子どもを育てる母親として、発達障害やグレーゾーンの子どもを支援してきた著者による、効果的な接し方や才能を伸ばすノウハウをわかりやすく解説。子どもたちが笑顔でのびのび成長し、将来の自立にむけて「1人でできる力」をぐんぐん伸ばせる!