注意されると逆ギレ…「発達障害の子」を叱る時に重要な4つのポイント
・「絵カード」など視覚サポートを使って、コミュニケーションする
「簡単な言葉で短く」伝えると言いましたが、発達障害をもつ子どもに何かを伝えるときは、言葉だけよりも、視覚を利用したほうが伝わりやすい場合があります。
日々、子どもを観察していて、
・目で見たほうが理解しやすい(話すだけでは伝わりにくい)
・言葉や文字だけでなく、写真やイラストがあると理解しやすい
・複数の手順を覚えておくのが苦手(わからなくなるとパニックを起こす)
といったことがあるなら、視覚サポートを使うといいでしょう。
視覚サポートでよく利用するのは「絵カード」です。イラストとイラストを表わす文字が書いてある小さなカードです(たとえば、りんごのイラストと「りんご」という文字)。知育カードとしてさまざまな種類のものが市販されています。
絵カードなどの視覚サポートを使うと、
・ 「指示」を伝える(「ごはんを食べて」「着替えて」など)
・ 「手順」を示す(今日の予定を絵カードで並べて見せる)
・ 子どもが「意思」を伝える(「トイレに行きたい」「りんごを食べたい」など)といったことが比較的スムーズになります。
たとえば、発達障害の特徴のある子どもは予測がつかないこと、突発的なことに強い不安を感じ、不安が強くなるとパニックになります。今日の予定や何かをするときの手順を、あらかじめ絵カードで示して説明しておくと、子どもは把握しやすくなるので、不安がぐんと減るのです。
言葉で意思を表示するのが苦手な子どもも、絵カードを使えばコミュニケーションしやすくなります。たとえば「トイレに行きたい」と言い出せない子どもも、「トイレ」と「行く」という絵カードを表示し、「トイレに行きたい」と伝えることができるのです。
また、手を洗い始めると途中でやめることのできない子には、事前に両手の平、左手、右手の甲を何回洗えばよいかを示した絵カードを見せておき、洗いながら再度見せると洗うのをストップできるようになります。
絵カードを使った指示を子どもができたら、「よくできました!」と褒めましょう。小さなことですが「できて当然」とせず、「できたら褒める」を繰り返すと、子どもは次からどう行動したらいいかをイメージしやすくなります。
絵カードには市販以外にも、無料で自作できるサイトや、便利なイラストやアイコンを無料でダウンロードできるサイトもあります。子どもの年齢や必要な行動に合わせて、家庭でよく使う指示などの絵カードを自作してみるのもいいでしょう。
つくり方のポイントは「情報はシンプルに!」です。1つのカードに複数の情報を入れないようにしましょう。
発達障害&グレーゾーンの子どもが「1人でできる子」になる言葉のかけ方・伝え方(日本実業出版社)
長年、小学校の特別支援学級で先生として、家庭では発達障害の子どもを育てる母親として、発達障害やグレーゾーンの子どもを支援してきた著者による、効果的な接し方や才能を伸ばすノウハウをわかりやすく解説。子どもたちが笑顔でのびのび成長し、将来の自立にむけて「1人でできる力」をぐんぐん伸ばせる!