欧米流「子どもの自己肯定感」の育み方とは? 聖書に学ぶ子育てのコツ
「親の価値観」が子どもに与える影響は……
ここで私の生まれ育った家庭環境を申しますと、私の母は教育者で、自宅で学習塾、書道教室、絵画教室、英会話を展開するやり手の経営者でした。ピーク時には、100人以上の生徒がいました。
そうした家庭環境に育った私に与えられたハードルはとても高いもので、火曜日を除いて母の教室や外部の習い事への参加を義務付けられ、常にどこでも、優秀な成績を求められました。
なんとかクリアできたときは、「自分はOK」とホッとしたものですが、うまくいかないと、「自分はなんてダメなんだ」と思っていました。
幼少期から思春期にかけての私は、物事がうまく進んでいたときであっても、達成感や幸福感よりもいつか起こしてしまうであろう失敗に対する心配や恐怖心が勝っているような子どもでした。
これは、どこの家庭でも起こり得ることです。親から良い成績をとることが至上命題だと植えつけられている子どもは、満点がとれなかったとき、自宅に帰ることさえ怯えてしまいます。
親の物差しや基準は子どもの自己評価に大きな影響を与えるのです。
でも、その自己評価は正しいのでしょうか?
いや、自分でつける自分の採点は必ずしも正しくないのです。その採点は、あなたの育った背景によって決められます。それは相対的だし、好不調によって変動もするでしょう。ころころ変動するジャッジなんて正しいはずがありません。
親か勝手な価値基準を押しつけるのではなく、「あなたがそこにいるから、私はもうそれだけで幸せ」と伝えることができたとき、子どもは自由に生き生きと育ちます。
そんな家庭環境に育った子どもは、どんな失敗をしたとしても、テストが赤点だったとしても、自分の可能性を疑わず、めげずに成長することができるのです。
ですから、子どもにのびのびと、たくましく成長してもらうために、まず親が聖書にあるような絶対的な「自己肯定感」を持つ必要があります。親こそが、この絶対動くことのない自分の価値をしっかりと感じてほしいのです。
親が「自己肯定感」を持てなければ、子どもが「自分はこのままでOK」だと思えることはありません。
子どもの心が不安定になり、自分のことがつまらない人間に思えてしまうとき、なんらかのサインが発せられています。そのサインを親はいち早く見抜き、その対処の仕方を学び、子どもに向き合ってください。手遅れになることはありません。
世界に通用する「個性」の育て方 聖書に学ぶ「自己肯定感と自立心」を高める子育て
欧米ではなぜ、赤ん坊に個室を与えるのか?最初に履いた靴を大事にするのか?子どもを預けて夫婦でデートに行くのか?夫婦はファーストネームで呼び合うのか?子どもが輝く欧米の育児の秘密とは?子どもにとって大切な、ありのままの自分でいいという「自己肯定感」と、自らの才覚で生きる「自立心」を高める方法。