話を聞かずにウロウロ…落ち着きがない「発達障害の特性」との向き合い方
絵や文字を見せながら話しかける工夫をする
発達障害の人は、聴覚情報は苦手で、視覚情報が優位になる傾向があります。耳から入ってくる言葉だけでは理解しづらいことがあるので、集中してほしいときは、紙に描いた絵や文字を見せながら話しかけてみてください。
たとえば、座っている子どもの絵と「すわる」と書いた紙をあらかじめ用意しておき、まずはそれを見せて座らせます。それから、目の前で文字や簡単な絵を描いて見せながら話をすると、少しは集中力が続くようになるはずです。
大人の発達障害の人の場合も同じです。視覚情報のほうが受け入れやすいので、口頭だけでなく、パソコンやスマートフォンの検索画面、プレゼン資料を活用したり、メモやホワイトボードを使ったりしながら話すことがおすすめです。
<ポイント>
・耳から入る情報は伝わりづらいことも
・興味のない話には意識を集中しづらい
・視覚情報に置き換える工夫をしよう
「じっとしていられない我が子に、ついイライラしてしまいます…」
感情的に叱るのは、逆効果になるだけ集中できない特性の子どもは、本人のちょっとやそっとの努力でどうにかなるものではありません。感情的に怒鳴ったり叱ったりするのは、逆効果。
余計に落ち着きがなくなってしまうこともあります。冷静に向き合い、穏やかに言い聞かせましょう。また、おもちゃが散らかっているなど、興味の対象が多いほど気が散ってしまうので、部屋をすっきりさせておくことも大切です。
発達障害の人が見ている世界(アスコム)
これまで1万人以上の発達障害の人たちと向き合ってきた精神科医の著者が、発達障害の特性を持つ人、とりわけADHDとASDの人が"見ている世界"を紹介する一冊。理解に苦しむその言動も、本人たちが物事をどう受け止め、感じているのか、つまり"見ている世界"を理解し、その対応策を学ぶことで、ともに生きるのが楽になるはずです。