こう言ったらママが喜ぶはず…子どもを縛る「親の無言の圧力」
親にできることは、子どもの邪魔をしないこと
OKマンガのお母さんは、特にほめていませんが、コントロールもしていないのがわかりますか?
鶴(作品)を折らせたいと思っている親にとっては、折り紙をビリビリに破る行為は、部屋も散らかるし、嫌なことなので、やめさせたくなるかもしれません。
でもそれを親がやめさせたりしないことで、子どもは認められる感覚を得ます。そして一生懸命に工夫をしながら取り組むことで、子どもは達成感を得ています。
ほめられなくても、子どもは「自分はすごい」と満足感を味わっているのです。つまり、子どもがしていることを認めることが、自己肯定感を育てるのです。
親にできることは、ほめてやらせることではありません。子どもがしたいことを邪魔せずに、認める言葉をかけること。
邪魔をしないといっても、(好きにさせてあげよう)と黙認するのではなく、「指で破ってるんだね」などとその工夫を認める言葉をかけたいものです。
なかなか寝ないときはどうする?
・「怒る」か「あきらめる」ではない第3の選択肢
最近とても多いのが、こちらのご相談です。
「子どもを早く寝かせたいと思っていたのですが、子どもを認めることが大切だと知って、子どもの好きにさせてあげたいと思っています。でも、放っているといつまでも遊んでいて、結局怒って寝かせることになってしまいます。早く寝かせることをあきらめるべきなのでしょうか?」
子どものやりたいことをやらせてあげなきゃと思うと、親がやってほしいことをあきらめることになって物事が進まず、モヤモヤ、イライラしてしまいますね。
今回は、「やるべきことをやらせるために、怒る」でもなければ、「子どもの好きを優先するために、親がやってほしいことを、あきらめる」でもない、もう1つの方法を考えます。まずはやってしまいがちなNG会話を見てみましょう。
子どもが夢中になって遊んでいることを認めようとして遊ばせ続けたのに、子どもが寝ようとしない。結局怒ってしまって、親は自己嫌悪に陥りますね。
平成と令和の子育ては別モノ
自己嫌悪に陥るというのは、「睡眠は大切。そして子どものやっていることも認めたい」とお母さんお父さんたちががんばっている証拠です。
これは昭和・平成の時代なら、「もう寝なさい!」と叱って寝かせるのが一般的でした。
ですから今の親世代は、こう育てられた方が大多数だと思います。じゃあ、やっぱり怒って寝かせたほうがいいの?と思いますよね。
でも、未来を生きるわが子には、大人の言うことに従う子ではなくて、自分で考えて行動できる自律する力・自己肯定感を育てたい。そしてそれを伸ばす言葉かけをしたいですよね。
つまりそれは、親自身が受けてきた教育とは、違う教育をする必要があるということ。今は子育ての転換期なので、現代の子育て世代は大変です。未来を生き抜く子どもに育てるためには、今が踏ん張り時ですね。
子どもは何かに夢中になっているときに大きく成長するので、認めて、させることはとても大事なことです。でも、睡眠を十分にとることも、同じくらい大切なことですよね。
じゃあ、どうしたらいいの? 両立できないじゃん……と途方に暮れますね。「怒るか」「あきらめるか」のどちらかではなく、子どもが自分で決断できる方法を考えます。
OKマンガを見てみましょう。
これからの時代を生きる子どもへの声かけポイント
子どもが「工夫したところやがんばったところ」を認め、楽しみになる提案をすることで、自らお布団に入ることを、待ち遠しく感じさせることができましたね。早く寝かせることをあきらめず、そして怒らず、さらに子どものしていることを認めることができました。
子どもを「認める」というのは、「遊んでてもいいよ」と許すことではありません。子どもが工夫したことやがんばったことを見逃さず声をかけることです。マンガの場合は「足を強そうに作ったね」と会話することで、子どもは「認められた」と満足します。
大事なのは「怒って寝かせる」よりも、「自分からお布団に入りたい」と思えるようなポイントを探すこと。
今回のマンガの子どもは、「ロボットの冒険物語」に惹かれましたが、お子さんの好みや年齢によって、何がやる気を引き出すのか、会話を重ねて探していきましょう。
これはやがて、怒って〇〇(例:宿題)させる、よりも、自分から〇〇(例:宿題)したい、と思える子に育っていくための親子の会話の練習になるはずです。
関連書籍
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