小学生が「感想文のクオリティを引き上げる」ために効果的な語彙3選

齋藤孝

つまらないを言い換えてみよう!

・退屈
【意味】心がときめくような変化や面白さがなく、興味がもてないこと。
【例文】校長先生の話は長くて退屈だ。

・飽き飽き
【意味】長すぎたり同じ物事が繰り返されたりしていやになること。
【例文】あの子の自慢話には飽き飽きしている。

・味気ない
【意味】面白みや魅力がない。味気は「あじき」とも読む。
【例文】大親友が引っ越してしまって、毎日が味気ない。

・興醒め
【意味】興味がなくなること。面白みや楽しい気分を失うこと。
【例文】読んでいる推理小説の犯人を知ってしまい興醒めした。

・ぞっとしない
【意味】特別に感心したり面白みを感じたりするほどではない。
【例文】有名YouTuber の新作動画は、正直ぞっとしない内容だった。

・無味乾燥
なんの味わいも面白みもないこと。「無味」は味わいのないこと、「乾燥」はうるおいのないことを意味するよ。

・驢鳴犬吠(ろめいけんばい)
つまらない文章や聞く必要のない話を、動物の鳴き声にたとえた言葉だよ。「驢鳴」はロバの鳴き声、「犬吠」は犬の鳴き声のことなんだ。

「面白い」の対義語を「面白くない」だと思っていないかな? 正しくは「つまらない」だよ。でも、このひと言だけで済ませてしまっては、それこそつまらないね。日本語には、同じ単語を重ねた言葉がたくさんある。飽き飽きもそのひとつで、いやな気持ちを強調しているんだ。

味気ないと似ている表現には、味も素っ気もないがあるよ。「素っ気」は面白みや味わいのことだよ。「ぞっとする」はおそろしさを感じた時に使うけれど、「ぞっとしない」になるとつまらないと似た意味になる。「おそろしくない」という意味だと勘違いしないように気をつけよう。

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