子どもの語彙力を伸ばすには?「勉強に必要な力が育つ」4つの遊び方
子どもは自ら育つ力をもっています。それを引き出すのは、日々の「遊び」であり、親子で笑い合う時間です。本稿では、子どもの語彙力と表現力が身につくおうちあそびを、小川大介さんが紹介します。
※本稿は『PHPのびのび子育て』2021年2月号から一部抜粋・編集したものです。
小川大介(教育家)
京都大学法学部卒業。コーチングと学習タイプ分析を融合した独自ノウハウで受験学習、幼児からの能力育成、子育て支援で実績を重ねる。6000回の面談で培った洞察力と的確な助言が評判。著書に、『頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て』(KADOKAWA)など多数。
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「語彙力・表現力」を育てる
「おうち遊び」のいいところは、子どもがのびのびと遊べるという点。家というのは、子どもにとって安心できる場所であり、素の自分でいられる場所です。「こうしてみよう」「あれは使えるかな」などと、子どもは自由に発想し、工夫し、挑戦して、たくさんのことを吸収していきます。
今は、自分を信じられないと生きていけない時代です。ということは、いかに自分ならではの強み、自分なりの判断基準=「自分軸」を育ててあげるかが大事になります。おうち遊びは、子どもの自分軸を育て、自己肯定感を高めることにつながります。
今回は前回に引き続き、「語彙力」を育てる遊びをご紹介しますが、語彙力だけでなく、表現力も伸ばせる遊びです。親子で楽しく遊びながら、人とうまくつながる力を育てていきましょう。
キャラクターなりきり遊び
→ことばへの深い理解につながる
【遊び方】
好きなキャラクターや、絵本に出てきた人物など、何かのキャラクターになりきって、子どもと演技ごっこをする。
自分が思ったことをキャラクターらしく言うにはどうしたらいいかと考え、頭の中で一度ことばを置き換えるので、観察力も表現力も鍛えられます。あのキャラクターが言っている、このことばはどういう意味なんだろうと、ことばの意味を深く理解しようとすることにもつながります。
【MEMO】おままごともおすすめ!
誰かになりきって遊ぶということでは、おままごと遊びも同じです。おままごと遊びをするときは、親は子どもに、子どもは親になって遊べば、親は自分の口ぐせに気づいたりと、いろいろ面白い発見もあるでしょう。
この人どんな人遊び
→伝える力、共感力がアップ!
【遊び方】
知らない人物(動物などでもOK)を指して、「この人は、どんな人だろうね」と質問し、子どもが想像して答えていく。
たとえば絵の中の人物を指し、「この人は、どんな人だろうね」と子どもに質問します。「威張ってそう」「よく食べそう」「でも、子どもにはやさしいかもしれない」などと子どもが答えたら、なぜそう思ったのか聞き、会話を広げていくといいでしょう。
自分で話をつくっていくことと等しく、人に関心をもつことにもつながり、共感力も高まります。悪口合戦にならないようにだけ注意しましょう。
【MEMO】子どもが今感じていることがわかる
この遊びでは、子どもは身の回りの人間関係などを当てはめて考えるので、今気になっていることや、親や周りの人との関係で感じていることなどが見えてきます。園のお友だちとうまくいっていないのかな、などといったこともわかるので、子どもの答えを注意深く聞くようにしましょう。
この人だれでしょう遊び
→文を組み立てる力が育つ
【遊び方】
「メガネをかけています」「おはぎが大好きです」などと、その人物を表わすヒントを出して、それがだれかを当てる。
子どもが好きなキャラクターや知っている人を答えに選び、親が最初にヒントを出します。そうすれば、どういうゲームかをすぐに理解し、次は子どもが問題を考えてくれるでしょう。ヒントを出すためには文を組み立てねばならず、説明するための表現力、形容詞の使い分けなども必要になります。
ことばづくり遊び
→自分で考えてことばをつくり出す
【遊び方】
ひらがなが書かれた積み木やカードなどのツールを縦横につなげ、ことばをつくっていく。子どもと一緒にカードを手づくりするのもいいでしょう。
「気持ちを表わすことばをつくろう」などとお題を出し、雰囲気でことばをつくって、あるかどうかを辞書で調べるのもおすすめです。ないと思っていたことばがあったりして、親も勉強になることがあります。