「計画力のある子」に育てるには? 時間と数字の感覚を養うおうち遊び

小川大介

子どもは自ら育つ力をもっています。それを引き出すのは、日々の「遊び」であり、親子で笑い合う時間です。本稿では、計画性のある子どもに育てるために必要な「時間感覚」を伸ばすあそびを、小川大介さんが紹介します。

※本稿は『PHPのびのび子育て』2021年4月号から一部抜粋・編集したものです。

小川大介(教育家)
京都大学法学部卒業。コーチングと学習タイプ分析を融合した独自ノウハウで受験学習、幼児からの能力育成、子育て支援で実績を重ねる。6000回の面談で培った洞察力と的確な助言が評判。著書に、『頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て』(KADOKAWA)など多数。
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「数・量・時間感覚」を育てる

子どもが将来困らないように、勉強にちゃんとついていけるように、ひらがなや数、時計の読み方など、早めにいろいろなことを教えなければ、と焦っている親御さんがいます。でも、子どもが望まないことを一方的に教えても、何も身につきません。

大事なのは、子どもが「楽しい!」「好き!」「もっと知りたい!」と思い、心を動かすことです。親子での楽しい遊びを通し、必要な力を育て、子どもの興味関心を広げていきましょう。

今回は、「数・量・時間感覚」を育てる遊びです。将来必要な計画力や時間管理能力は、時間感覚の十分な育ちの上に育まれます。まずは、日々の生活の中で子どもに数字や時間というものを意識させ、数や量、時間感覚を育てていきましょう。

10個探し遊び

→カテゴリーで捉える力がつく

【遊び方】
「読むもの」「やわらかいもの」「まるいもの」など、何か1つお題を出し、お題に合うものを10個探してもってくる。ただし、同じものを10個、たとえばマンガを10冊もってくるのはNG。競争にしてもOK。
例)「読むもの」→マンガ、絵本、新聞、スマートフォンの画面、説明書など

10個探すということで数を数える力も身につきますが、この遊びは、カテゴリーで物事を捉える力を養うことができます。たくさんのものを暗記するとき、バラバラに覚えようとしても難しいですが、いくつかの種類に分けると覚えやすくなります。このカテゴリーで物事を捉える力は、種類に分けて学ぶことが多い理科の勉強において特に役立つ力です。

【MEMO】仲間外れ問題も得意に!
この遊びをしていると、物事の共通点を見つけるのが得意になるので、小学校受験でよく出題される、いくつか物の絵が描かれていて「仲間外れはどれでしょう」といった問題もスムーズに解けるようになります。

体内時計遊び

時間感覚を育てる入り口に目をつぶった状態で、ストップウォッチを10秒ぴったりで止める。もしくは、「よーいスタート!」でストップウォッチを押して「ストップ!」で止め、何秒たったかを当てる。

子どもが「時間」というものにふれる入り口として、おすすめの遊びです。わかりやすい遊びですが、何度か繰り返すうちに秒感覚=時間感覚が身につきます。まずは、秒という短い時間から、時間感覚を育てていきましょう。

何時にできるでしょう遊び

→時間を意識するようになる

【遊び方】
「今からお風呂のお湯をためるけど、何時にたまると思う?」「皮むきは何分でできると思う?」など、身近な作業をどれくらいの時間でできるか当てあいをする。

この当てっこ遊びは、「8時に出るよ」「5時になったね」などと声をかけて、子どもと一緒に定期的に時計を見るようにし、子どもが時計を見ることに慣れてきたら行なうようにしましょう。

何分でできるか当てあっているうちに、30分はどれくらいか、1時間はどれくらいかといった時間感覚が身につき、この作業は何時くらいに終わりそうなど、計画力にもつながっていきます。

ひとつまみ何粒遊び

→数を数える力、予測する力が育つ

【遊び方】
生米を手でつまんで、何粒かを当てる。ポップコーンなど、小さめのお菓子をつかんで当てるのでもOK。

何粒あるか数えているうちに、たいがいの子どもは途中でわからなくなるので、そのときに、「いい方法があるよ!」と、10ずつ分けて数える方法を教えましょう。10進法の考えに触れることができ、10ずつ分けて数えると数えやすいという知恵が身につきます。

お菓子で行なう場合、当てられた人、もしくは数が近い人が食べられるというルールにすると盛り上がるでしょう。

【MEMO】算数への興味関心を広げていく
この遊びをすると、多くの子どもが食事中にお茶碗の中の米粒の数を数えようとします。このとき、お箸でひと口分すくって何粒か数えてもらい、何口で食べ終えたか教えてもらえば、かけ算でおおよその数が出せます。「これは、かけ算って言ってね~」と説明すれば、子どもの興味関心をさらに広げることができるでしょう。