子どもの計算力を伸ばすには? 幼児期からできる4つのおうち遊び
子どもは自ら育つ力をもっています。それを引き出すのは、日々の「遊び」であり、親子で笑い合う時間です。本稿では、子どもの計算力アップに欠かせない「数・量感覚」を伸ばすための4つの遊び方を小川大介さんが紹介します。
※本稿は『PHPのびのび子育て』2021年5月号から一部抜粋・編集したものです。
小川大介(教育家)
京都大学法学部卒業。コーチングと学習タイプ分析を融合した独自ノウハウで受験学習、幼児からの能力育成、子育て支援で実績を重ねる。6000回の面談で培った洞察力と的確な助言が評判。著書に、『頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て』(KADOKAWA)など多数。
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「数・量感覚」を育てる
他の子と比べることでしか、自分の子どもの成長を実感できない、評価できない親御さんが増えているように思います。でも、他の子と比べる子育ては、「もう足し算ができるんだ。うちの子も教えたほうがいいのかな……」「もうひらがなが書けるんだ。うちの子も……」などと、不安や焦りを生むだけです。
日々の子どもの遊びに注目することで、「この子は、こういう遊びが好きなんだな」「こんなこともできるようになったんだ」と、他の子に向いていた目を、わが子に向けられるようになります。わが子らしさ、わが家らしさを大切にし、家族で楽しい経験を重ねることが、幼児期には一番大事です。
今回取り上げるのは、「数・量感覚」を育てる遊びです。ぜひ、親子で一緒に楽しみながらやってみてください。
何歩で行けるかな遊び
→数を数える力、集中力が育つ
【遊び方】
リビングのソファーから玄関、キッチンのイスからお風呂場までなど、何歩で行けるか数える。
おうちだけでなく、外に出かけるときに公園や駅までの歩数を数えるのもおすすめです。数を数えるのが好きな子は、小学生になれば1万歩くらいまで数えられるでしょう。この遊びをすると、数の数え方を学べ、歩数をひたすら数えて歩くので、集中力も育ちます。
ただ、他のことに注意が向かなくなることがあるので、親御さんは外では危険がないよう、しっかり見守ってください。
【MEMO】マインドフルネスと同じ!
マインドフルネスとは、心理学的な実践の1つで、呼吸や瞑想によって、今、この瞬間に意識を向け、脳と心を落ち着けるというもの。この「何歩で行けるかな遊び」も、数を数えながら1つのことに集中するという点で共通しており、似た効果が得られます。
20を言ったら負けゲーム
→計算力や思考力がアップ!
【遊び方】
数を3個まで言えるルールで、「1、2、3」、「4、5」「6、7、8」……などと交互に言っていき、20を言ったら負け。
何回かするうちに、子どもは勝つために自分がこの数を言ったら、相手がこの数を言ったら……などと予測するようになります。3個までしか言えないルールなので、頭の中で足し算や引き算もすることになり、計算力や思考力が育ちます。
ぴったり割りせんべい
→割合や比率の理解に必要な感覚が育つ
【遊び方】
1枚のおせんべいが、何枚に割れるかを当てる遊び。当てた人、数が近い人が食べられるルールに。
単純な遊びですが盛り上がります。「ぴったり割りせんべい」遊びと、両替えを一緒のタイミングで教えるのがおすすめです。100円を10円にすると枚数は増えますが、価値は同じ。1つのものを細かくわけると増えたように感じるけれど、そうではないことが感覚でわかります。そうした感覚は、算数の割合や比率の理解につながります。
グリコすごろく
→足し算、引き算の練習になる
【遊び方】
じゃんけんをして、グーは「グリコ(3)」、チョキは「チヨコレイト(6)」、パーは「パイナツプル(6)」として、勝った人は文字の数だけ、すごろくのコマを進め、負けたら戻る。早くゴールした人が勝ち。
グリコ遊びは、外の階段などですることが多いですが、家にあるすごろく盤を使えば、おうちでもできます。ゴールまで8マスあるけど、あと2回じゃんけんに勝てばゴールできるか……など、子どもは自然と計算するので、足し算、引き算の練習になります。
【MEMO】オリジナルすごろく盤を作っても!
すごろく盤を子どもと一緒に手作りしてもいいでしょう。「お父さんの好きなところを1つ言う」「おしりで自分の名前を書く」など、マス目にルールを作るのも楽しいです。子どもと一緒に、いろいろ考えてみてください。