赤ちゃんの「コミュ力」はどう伸ばす? 親が心掛けたい3つのポイント

吉中みちる
2023.11.29 15:45 2023.12.04 11:40

赤ちゃん

「企業が社員採用時に求める資質」の統計で、16年連続1位となっている「コミュニケーション能力」(※日本経済団体連合会調べ)。

では、皆さんのイメージするコミュニケーション能力が高い人とはどんな人でしょうか?
また、お子さんとどんな風に関わると、コミュニケーション能力が育つのでしょうか?

赤ちゃんの時からできる3つの関わり方のポイントを、ベビーサイン協会の吉中みちるさんに教えていただきました。

1. 目を見て会話をしよう

ごはんを食べる女の子

自信なさげに目があちこち動いて目線が合わない人はコミュニケーション能力が高そうに見えないですよね。
しっかり相手の目を見て、気持ちや考えが伝えられる人とはコミュニケーションも楽しくなります。

まずは赤ちゃんの目を見て会話をすること!これを意識してみましょう。
生まれて間もない頃でも、赤ちゃんはママやパパの顔がぼんやりわかるくらいの視力を持っています。

目があったら話しかける!目があったら笑いかける。
そんなやりとりが、将来、目を見て話すことに繋がっていきます。

授乳の時に赤ちゃんの目を見てあげる事もおすすめです。
授乳中はわが子をみながらと決めて子育てをしてた私ですが、ある日、お留守番にきてくれていた母と授乳中に少し話しをしたら、おっぱいを飲んでいる娘に思いっきり噛まれた事がありました!
娘にしたら「ちゃんとこっちみて!」と訴えていたのでしょう。

赤ちゃんへの声掛けが苦手な方は、ベビーサイン(身振り手振りでのコミュニケーション)を取り入れると、自然と目が合いやすくなります。
ベビーサインで育ったわが子達はおしゃべりができるようになって、私が彼らの話半分、目もあわせずに生返事をしていると「ちゃんとこっちみて!」とよく注意をしてきました。
赤ちゃんの頃から目を見て、手の動きでコミュニケーションをとってきたベビーサインがココに繋がっているな~と感じたエピソードです。

2.会話のキャッチボールをしよう

赤ちゃんをあやすパパ

一方的にずっとしゃべり続ける人との会話は疲れませんか?
単なるおしゃべりとコミュニケーション能力とは違いますね。相手の話に上手に受け答えができるというのもコミュニケーションの上でとても大切です。

実は赤ちゃんの時から会話のキャッチボールの練習はできるんですよ!
生後2-3ヶ月になると赤ちゃんは自分で声を出して、音遊びを始めます。

その赤ちゃんが出している声を、周りの大人がまねっこして繰り返したり、そこに意味づけをして、お返事をしてあげたりすると良いんですよ。

たとえば赤ちゃんが
「あーあー」
って声を出したら
「あーあーだね!上手にお話できるね」
と返す。

または赤ちゃんが同じように
「あーあー」
って声を出したら
「そうね、そろそろお外に行こうか?」
って会話にしてみる。

慣れてくると赤ちゃんは自分が声を出したあとに
「お返事してくれるかな?」
ってママ・パパの反応を待つようになるんですよ。
これこそ、まさに「会話のキャッチボールの始まり」です。
コミュニケーション力はこんなところから始ってるんですね。

今興味関心があることを知って広げてあげよう

畑の中の親子

どんどん話題が広がって、この人とのおしゃべりは本当に楽しいな~と思える人はコミュニケーション力がある印象になりますね。
これは大人になってからいきなり身につくものではありません。
誰かとの話題づくりのために情報収集をすることはできても、それはその場しのぎでしかありません。

小さな頃からお子さんの興味関心を知り、その世界を深めていく関わりをしてあげると、お子さんの知識もお話のネタも豊富になります。

たとえばわが家の息子のケースでは、犬やアリのような身近な生き物への興味から始まり、恐竜や毒のある生き物につながり、その後、生物のふしぎから、人間の体の不思議や宇宙にまで繋がりました。人間に興味が湧いた時には、歴史上の著名な人物のマンガ本をたくさん読みました。そうやって好きなものの世界を広げてあげたことで、今でも雑学知識がとても豊かで、本人曰く話のネタに困らないそうです。

あっ、うちの子、今、こんなことに興味があるんだ!ってわかったら、それはコミュニケーション能力を高めるチャンスです。いっぱい話しかけて、本や図鑑などを与えて、さらにはその対象に触れる実体験もさせてあげましょう。

吉中みちる

吉中みちる

日本のベビーサイン育児の先駆者でありその普及活動の第一人者。常に母親としての視点を大切にし、育児に悩む母親たちへのサポートをライフワークとする。自らのベビーサイン育児体験を元にしたガイドブックを2002年に出版。その後、のべ10冊のベビーサイン関連書籍を執筆。ベビーサインの絵本やDVDも監修し、英語育児書の和訳本も出版。著書の一部は中国語に翻訳される。

北米で広まっていたアメリカ手話をベースにしたベビーサインに加えて、日本手話をベースにしたベビーサインを新たに提案して広める。ベビーサインを楽しく教えるための絵本や手遊び歌を考案し、教材としてまとめ、カルチャースクール等でベビーサイン教室を展開。ベビーサインを研究し命名した2人のアメリカ人児童心理学者と提携し、日本での普及のために仲間と日本ベビーサイン協会を2004年に創立。ベビーサイン教室を運営する講師を育成するプログラムを制作し、19年にわたってのべ1400人以上のベビーサイン講師を養成。

ベビーサイン育児が母親にもたらす影響を調査した論文で初等教育学修士号を取得。看護師、助産師、保育士、言語聴覚士など乳幼児に関わる専門家にベビーサインを紹介する活動にも取り組む。

一般社団法人 日本ベビーサイン協会:https://www.babysigns.jp/

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