集中力のある子に育つために「6歳までに経験すべきこと」

伊藤美佳

能力が伸びるのは子どもが遊びに集中しているとき


<『マンガでよくわかる モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方』P.61より>

「子どもの能力を伸ばす」ことの大切さを説明してきましたが、「どんなときに子どもの能力が伸びているの?」「能力が伸びているかどうか、親にわかるの?」という声が聞こえてきそうですね。実は、子どもが今まさにグングン吸収し、能力を伸ばすための土台を作っていることがわかるポイントがあります。

それは「遊びに没頭し、集中している」とき。具体的な例で説明しましょう。私のスクールでは、その子にとって適切な時期に、適切な道具を使って遊ばせますが、子どもが遊びに夢中になっているときは、表情ですぐにわかります。唇をとがらせ、なかには夢中になって口が開いてしまい、思わずよだれが出ても気づかない子もいます。

何をするにも落ち着きのない、すぐに癇癪を起こしていたような子どもも、唇をとがらせ、夢中で黙々と1つのことに繰り返し取り組んでいる姿も見られます。乳幼児期からこうした経験をしておくと、集中力がつくようになります。

子どもが集中しているときに邪魔をしない


<『マンガでよくわかる モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方』P.62より>

子どもが一心不乱で集中している状態のとき、どうしてもかまいたくなってしまう親もいるようです。集中しているときに話しかけてしまうと、子どもの集中力は「プツン」と切れてしまいます。

子どもは言葉にこそ出さないかもしれませんが、「なんで今話しかけるの?」「あ〜あ、せっかく集中していたのに、スイッチが切れちゃった」という状態のはずでしょう。

夢中になってやっていたのに、急に現実に戻されてしまったような感じになるのです。一度切れてしまったスイッチをもう一度入れるのは難しいもの。

ママは、「同じことばかりして飽きないのかしら?」「もっといろいろな遊びを経験したほうがいいのでは?」と心配になるかもしれませんが、子どもの気が済むまで、思う存分やらせてあげましょう。

【こんなときどうすればいい?】
妹が兄の遊んでいるおもちゃをいつも奪ってしまいます。その都度「貸して」とは聞くのですが、何回も邪魔をされて、兄のほうもそのうち怒ってしまいます……。どちらの気持ちもわかるので、悩んでいます。
(たっくんとマナ、4歳& 2歳8カ月の子のママ)

【Answer】
お兄ちゃんの遊んでいるおもちゃは、妹にとってとても魅力的。遊び方を展開してくれているからです。また、自分で思うように遊びたいお兄ちゃんの気持ちも大切にしてあげたいので、ここはママが気持ちを代弁してあげましょう。

そして、邪魔されたくないところと譲れるところはどこなのかを一緒に考え、解決策をできるだけ子どもたちに考えさせながら気持ちを理解してあげることに徹しましょう。

関連書籍

マンガでよくわかる モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方の画像1マンガでよくわかる モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方
ハーバード大学の心理学者ガードナー氏が唱える「多重知能理論」を著者が日本人向けにアレンジした「9つの知能」を使って、運動、学力、クリエイティビティ、コミュニケーション能力など子どもが持つさまざまな能力を見つけていきます。さらに、「9つの知能」を伸ばすオリジナルのアクティビティも多数紹介。どんな家庭でも、笑顔で、かんたんに子どもの才能を伸ばすことができます。