成績上位の子は「親のサポート」に支えられている!子どもの偏差値をUPさせる行動とは?

齋藤明

子どもの成績が伸び悩んでいる……その解決策は、実は親自身の「意識」と「行動」を変えることにあります。
「成績上位者の親の行動」を、難関校合格専門 松江塾塾長の齋藤明さんが解説します。

※本稿は、齋藤明著 『中学生「偏差値70超」の子の勉強法』(大和出版)から一部抜粋・編集したものです。

成績上位者の親の「行動」を知って「真似る」ことが大切!

昔、こんな話を耳にしました。
赤ちゃんのときに、オオカミに育てられた少年がいたそうです。
その少年は、二足歩行ではなく、四足歩行で生活をしていたとのこと。
人間ではなく、オオカミに育てられたため、四足歩行になってしまったのですね。

人間は、一般的に親の真似をして育ちます。
また、環境の影響を受けます。つまり、成績上位者(学年1位やオール5、偏差値70超の子)の親の「意識」や「行動」を真似すれば、あなたの子どもの「意識」や「行動」に影響を与えられるということなのです。

まずは、成績上位者の親の意識や行動を知っていきましょう。
私は、年間延べ200名以上の生徒や保護者の方々と面談をしています。その面談を通して発見した、「成績上位者の親の行動」を紹介していきます。

【1】テストの「結果」ではなく「勉強のやり方」に口を出す

成績が上がらない家庭で多いのは、テストの「結果」に対して、親が口出しをしていることです。
「何なの、この成績は? 勉強しないなら塾を辞めなさい!」そう言ったところで、「結果」ですから、もう変えようがありません。
親が「結果」しか見ていなければ、きっと子どもの成績は上がらないでしょう。

一方、成績が上がる家庭の多くは、「勉強のやり方」に口を出します。
「結果」が出る前の子どもの行動の部分を、親が日々しっかり見ています。
だから子どもが何か間違った勉強のやり方をしていれば、すぐに気づけるのです。

テストの結果に口を出すのではなく、テストの勉強の様子を見て、そのやり方に口を出すようにしてください。
そして、この本に書かれている内容をお子さんに伝えてあげてください。きっと、そのほうがはるかに成績が上がるでしょう。

【2】勉強の習慣化は、親が一緒に取り組んでいる

姉妹で学年1位を達成した生徒がいます。
その姉妹は、幼少期から1年365日のうち360日くらいは勉強してきました。
姉妹が中学生や高校生になった今でも、その勉強の習慣は続いています
これは、勉強が習慣化されるまで、親が声をかけ、一緒になって取り組んできた結果です。

当然のことですが、簡単に勉強が習慣化される魔法のような薬はありません。
もし、子どもの勉強が習慣化されていなければ、変わるべきなのは子どもではなく、親の「意識」と「行動」です。
声をかけるだけではなく、子どもの隣で一緒に勉強するくらいの覚悟と熱量が必要なのです。

私の塾では、小学生でも中学生でも、親子で一緒に塾の同じテストを受けるイベントがあります。
まさに親子対決ですね。
そのテストを希望して受ける方の多くが、成績上位者の保護者です。
子どもに「勉強しなさい」と口だけで言うのではなく、親がそのお手本を見せているのですね。言っていることがその人の正体なのではなく、やっていることがその人の正体なのです。
まずは、親が率先して行動しましょう。勉強の習慣化は、そこから始まります。

【3】 親の「意識」と「行動」の変化が子どもの「意識」と「行動」を変える

保護者であるあなたは、中学時代に塾に通っていましたか?
テスト前に1人で勉強してきましたか?
成績はどうでしたか?

自分が勉強面でできていたことでも、子どもができるとは限りません。
まずは、その点を理解してください。

また、成績上位者の多くは、何かしら親からのサポートを受けています。
あるいは、上位に入るまでにサポートを受けてきた子たちです。

たとえば、中学生になるまでに勉強が習慣化された子がいるとしましょう。
その子は勉強の習慣化がされるまで、親の声かけやマルつけなどのサポートがあったはずです。

私は今まで、2000人以上の生徒を見てきましたが、1人で成果を出してきた子は0.5%以下です。
結果を出している子のほとんどすべてが、親のサポートによって支えられてきています。

小学校の高学年や中学に上がるタイミングで子どもを塾に入れる保護者の方は、本当に多いです。
そして、そこで勉強面は完全に塾と本人任せにしてしまう保護者の方が一定数います。
それで成績が上がればいいのですが、親が学習面でかかわっていないと、成績が上がらないときや下がってしまったときに、その原因が思うようにつかめないでしょう。

成績上位者の保護者の方は、子どもの勉強を自分のことのように受け止めています。
たとえば、定期テスト前には保護者の方も定期テストの範囲を把握しています。
テストを受けるのは本人ですが、保護者の方は自分がテストを受けるかのように受け止めているのです。
親としての「意識」の高さがうかがえますね。

あなたは、「クラスの保護者の中で一番、子どもを勉強面でサポートしてきた」と胸を張って言えますか?
もし、そう言えないのでしたら、まずはそこを目指しましょう。
親が子どもの勉強に興味や関心がなければ、子どもも勉強に興味や関心を示すわけがありません。
親の「意識」が変われば、やがて「行動」も変わります。そして、子どもの「意識」と「行動」も変わっていくのです。

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