幼児食と離乳食の違いは?1歳半から5歳の「食事の基本」
離乳食期が終わったあと、子どもが次に食べるのが「幼児食」。離乳食と違い情報が少ないので、「何を食べさせればいいの?」「大人と同じメニューでOK?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
『うたまるごはんのかんたん親子ごはん 』(Gakken)より、幼児食の基礎知識をご紹介します。
※本稿は、 うたまるごはん著、北嶋佳奈監修、淵江公美子監修『うたまるごはんのかんたん親子ごはん 』(Gakken)から一部抜粋・編集したものです。
そもそも幼児食って何?離乳食と何が違うの?
幼児食とは、離乳食完了後の子どもが食べる食事のこと。
「大人と同じ食事がとれるまでの移行期」とされており、この時期の食事は子どもの体や心の成長に深く関わっています。
心身の成長を助けながら大人の食事に近づける
幼児食とは、離乳食が完了した1歳半から5歳頃までの食事のこと。
この頃になると、離乳期よりはさまざまなものが食べられるようになってきますが、大人に比べるとかむ力も消化機能もまだまだ未熟。
大人とまったく同じ食事内容では、体に大きな負担がかかってしまうため、子どもの発達に合わせて食事内容を大人の食事に近づけていく「幼児食」の期間が必要になります。
また食事の環境も、これまでのフォークやスプーンを使った食事から、お箸のマナーを覚える段階へとゆっくりステップアップさせていきます。
いろいろな色や形、匂いの食材に触れたり、食材を味わうことは、子どもの心身の発達に関わる大切な体験です。
幼児食を通して、生きる源である「食事を楽しむ」心を育みます。
幼児食の役割
1 成長に合わせた食事でじょうぶな体を作る
幼児期はみるみる体が成長していき、毎日の活動量が増える時期。
適切なエネルギーと栄養素がバランスよく含まれた食事を与えることで、子どもが免疫力の高いじょうぶな体を作り、成長するのをサポートします。
また、決まった時間に食事をすることで、食事の時間にお腹が空くようになり、生活のリズムが整ってきます。
2 かむ力と味覚を成長させる
乳歯の生え方に合わせて少しずつ食材を大きくしたり、かみ応えのある食材を増やしたりすることで、かむ力を鍛えます。
かむことで、顔や舌の筋肉が発達し、表情も豊かになります。
また、この時期にいろいろな食材の味を体感すると、「旨み」や「風味」を繊細に感じとれるようになり、味覚の幅が広がります。
3 食に対する関心と楽しむ心を育てる
家族みんなでわいわい食卓を囲むことで、「食べたい」という気持ちを自然と引き出すことができたり、食べることへのポジティブな印象を持ちやすくなったりします。
好き嫌いや遊び食べで食事が進まないときもありますが、完食にこだわりすぎず、リラックスした気持ちで子どもの食事を見守りましょう。
幼児食の与え方のPoint
・子どもの成長に合わせて進める
幼児期に与える食事の量は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」でその目安が定められています。しかし、子どもの発達には個人差があり、体格や活動量によっても必要なエネルギー量は変わってきます。また、食への関心や意欲も一人ひとり異なるので、指標はあくまでも目安と考え、子ども自身の成長ペースに合わせて進めましょう。
・はじめての食材がないか確認する
幼児期は、食べられるものがどんどん増えてくる時期ですが、発達途中の体には負担がかかるものもあります。離乳期から引き続き食物アレルギーなどに注意し、はじめて食べる食材がある場合は、なるべく1種類ずつ与えて、体調に変化がないかよく観察しましょう。アレルギーと思われる不調が出たら、必要に応じて医師に相談してください。
・衛生面に気をつけて必要な場合は加熱処理を
赤ちゃんの頃に比べれば抵抗力がついてきたとはいえ、まだまだ雑菌などへの抵抗力は大人に比べて弱い時期です。「調理前や生ものに触れた後にはしっかり手を洗う」「生ものを出しっぱなしにしない」など、衛生面には充分注意して調理しましょう。また、子どもにはじめての食材を与える際に不安な場合は、中までしっかり加熱しましょう。
・食材の大きさに配慮し誤えんに注意!
うずらの卵などの小さく丸い食材は、丸飲みして窒息する危険性があるため、必ず4等分以上に切って与えます。また、こんにゃくなどのかみづらいものもできるだけ小さくして与え、誤えんを防ぎましょう。食べながら歩いてしまったり、食べ物を口に入れすぎてしまったりすることもあるので、食事中は常に目を離さず見守りましょう。
・基本は薄味を心がけ風味や食感で変化をつける
幼児期は味覚が育つ大切な時期。さらに子どもの味覚は大人よりも鋭いといわれているため、香辛料を使った刺激的な味つけや、濃い味つけは控えましょう。基本的には食材そのものの味をしっかり感じられる薄味をベースに、年齢に合った調味料をとり入れて、味のバリエーションを増やしていくと飽きずにおいしく食べられます。
・子どもの成長に合わせお箸にもチャレンジ!
体や脳が成長していくことで、「食べ方」もだんだん変化していきます。離乳食後期から手づかみ食べがはじまり、1歳頃から少しずつスプーンを使うように。だんだんとスプーンとフォークを使ってうまく食べられるようになっていきます。大人が使っているお箸に関心を示しはじめたら、子ども用のお箸にもチャレンジさせてみましょう。
うたまるごはんのかんたん親子ごはん(Gakken)
うたまるごはん氏による待望の第二弾。4歳児のママとして、SNSで人気の著者が、「子どもと大人で同じ食事を作りたい」「食費を節約したい」という願いを込めて、親子ごはんの基本ノウハウと200以上のレシピを紹介しています。離乳食を卒業し、これから幼児食や家族の食事作りに挑戦したい人や、今の食事を見直したい人におすすめ。家族みんなが大満足できる、かんたんでおいしい親子ごはんの決定版です。